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「…にしても暇すぎない？こんなにコンビニバイトって暇なの？」
「ここアイスがあるだけだから夏はちょっと忙しいぐらいだよ、他の買いたいなら向こうの店行ったほうがいいじゃん」
閑古鳥が鳴くのでは？と思うぐらいに暇なバイトにため息をついてそんなことを横に立つ松村くんに言えばそう返されるのに納得する。確かにここのコンビニはアイスの種類「だけ」豊富であとは…うん、と言う感じだった。言われてみれば私も向こうのコンビニの方がよく使う。
こんな暇なままもう8時を迎えそうだけどいいのかな…と思いながら過ごしていればもう8時を知らせる店内放送が鳴り出した。帰る時間だ、今日3人しかレジ打ってないけど。
「じゃあお疲れ様、タイムカードはそこの2段目に置いてあるから」
「ありがとう、松村くんもお疲れ様、あと少し頑張ってね」
「うん」
そう言って少し笑った松村くんに手を振ってバックヤードで制服を脱ぐ。適当に髪を整えて制服を着直して裏口から出て、それで、
「あーちょっと遅いか」
「…え？」
おつかれ、って、なんで、なんで？その声が聞こえる意味もそこにある意味もわからなくて呆然と立ち尽くして彼の顔を、慎太郎の顔を呆然と見つめて、それで、
「な、んで、いるの」
「え？行くって言ったじゃん」
「い、言った、けどさ」
「けど何？」
アイス食いたいって言ったじゃん、聞いてなかった？と笑った慎太郎が私の肩からかかるカバンを引いて「なんか奢ってやるよ、やさしいなー慎太郎くんは」と言いながら自動ドアを潜るのに私はまだ頭が追いつかない。確かになんかいい匂いしたし風呂入ったんだなーとは思ったし、なんか服装はラフだからほんとにコンビニにだけ来たんだなーとか、それは、わかるけど、なんか、変な気がする。
「…なんでほんとに慎太郎、きたの」
「え？コンビニは誰が行ってもいいじゃん」
「そうだけど」
あ、これうまそー、これも、と適当に指を指して笑う横顔になんだかまだどうしようもなく苦しくなる。くっそ、鼻高いなあ、ずるいな、かっこいいな、ずるすぎるな。
諦めるって決めたのにまだ諦められそうにない自分となぜか慎太郎にも腹が立って高いスイーツを手に押し付けて「これ買って、これも」とついでに飲みたかったジュースも押し付ける。全部慎太郎が悪い。
「遠慮しろよ少しは」
俺バイトしてねえのにさあ〜まあいいけど、と笑った慎太郎が待ってて、とレジに行く後ろ姿を見送れば「うわ北斗ねみー顔してるって！笑って！」と松村くんの肩をバシバシ叩いていた。松村くん骨折れないかな、大丈夫かな。
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七瀬(プロフ) - lemonさん» わ〜！ありがとうございます！少しでも楽しんでいただけていましたら幸いです！たくさん更新できたらいいな〜と思ってますので最後までお付き合い頂けましたらうれしいです！ (2023年2月25日 19時) (
レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
lemon(プロフ) - ほんとにこの作品がだいすきで、 このきゅんきゅんがたまりません！！これからの更新も楽しみにしております！^^ (2023年2月22日 22時) (レス) @page16 id: b772619bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬
| 作成日時：2023年2月7日 22時
