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「あー違う違う、それこそ慎太郎とかいるクラスね」
「な、なんで?」
「決まってんじゃんイケメン多いから!」
「あ、そう…」




 確かに慎太郎の周りはイケメンしかいなかったよな…と思いながら2階から見下ろせば慎太郎はもちろん松村くんやらジェシーくんやらも立っていた。というかもう身長の時点であのクラスだけ有利すぎるってば、なんかハンデいるでしょ。

 そう思いながらぼんやり見つめていれば試合が始まっていたらしい。ホイッスルの音と靴が擦れる音を聞きながらぼんやりと慎太郎を見つめる。

 あー、かっこいい、こればっかり思ってしまう。周りのギャラリーも気のせいではなく多いし1番点数を決めている慎太郎にもたくさんの視線が注がれているのにずきりと胸を傷ませる資格もないのにどうしようもなく痛い。

 響く声も点数を決めた後のハイタッチも、笑顔も、全部、全部好きだよ、嫌だなあほんとに、はやくやめたい、結局何をしたって諦められないなんて知りたくなかった。




「いやあのクラス強すぎるね〜顔もバスケも」
「ふは、どんな感想なの」
「ほんとじゃん」




 ほらもう試合終わるし、やっぱ男子バスケ優勝はあのクラスだったよね〜とぼんやり呟くクラスメイトたちに「そうだね」と同調しながら試合終了のホイッスルが鳴るのを聞きながら下を見れば「やったー!」という聞き覚えのありすぎる声に横の子も「あの人超点決めてた人だよね?声でっか」と笑っていた。でもわちゃわちゃと抱き合いながら喜ぶ姿になんだか私まで笑ってしまいぱちぱちと拍手を気づいたら送っていて、それで、




「…うわ」




 ぱち、と一度合った目は、どうしよう。自意識過剰かな。微かに動いたように見えた唇は、誰に向けてだったのかな、辺りを見渡しても慎太郎を見ているのか何を見ているのかわからない子たちばかりだったので、私じゃ、私じゃないんじゃないの。




「えー慎太郎、Aに向けて超笑ってない?」
「それ思ったわ」
「いやあ…ないでしょ、べつに」
「そう?だってずっとこっち見てたじゃん」
「え?」
「いや気づかなかったの?」




 試合終わった時も、なんなら試合始まる前もこっち見てたよ、だから今のもAのこと見てるに決まってるじゃん、と笑うクラスメイト達に私は唇の端を引き攣らせて笑う。

 そんなわけない、だって「大嫌い」って言ったのが、まともにした会話の最後。さっきの何の種目に出るのかなんて、ただの社交辞令みたいなもの。私のことを見てるわけなんてない。私だったら、嫌いって言われた人の顔を見ていつもみたいに笑えない。




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七瀬(プロフ) - lemonさん» わ〜!ありがとうございます!少しでも楽しんでいただけていましたら幸いです!たくさん更新できたらいいな〜と思ってますので最後までお付き合い頂けましたらうれしいです! (2023年2月25日 19時) (レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
lemon(プロフ) - ほんとにこの作品がだいすきで、 このきゅんきゅんがたまりません!!これからの更新も楽しみにしております!^^ (2023年2月22日 22時) (レス) @page16 id: b772619bf0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:七瀬 | 作成日時:2023年2月7日 22時

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