全力アイラブユー ページ47
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「お前さあ、北斗に最後に好きって言ったの、いつ?」
「…はあ?なにそれ、そんなのなんで樹に言わなきゃ…あれ?」
そこまで言われて気がついたがそういやいつだ?北斗くんと付き合い始めてだいぶ経つが確かに好きとだいぶ言っていない気がする、だって恥ずかしいじゃん普通に。告白の時は勇気振り絞って言ったけどさ、普段から「ほくとくんすきすき〜」なんてできるか?できません、思ってはいるけど。北斗くん今日もかっこいい、だいすきです。
「北斗かわいそ〜ないちゃうよ」
「北斗くんって泣くの?」
「お前あいつのことなんだと思ってんの?泣くだろ」
ていうかあいつクソ重いし今も「Aってほんとに俺のこと好きなのかな…俺ばっか好きみたい」ってどっかで泣いてっかもよ、と笑いながら北斗くんの声真似をしているつもりであろう樹に「全然北斗くんに似てない、そんなキモい声してないから」と睨みつける。
でも確かに北斗くんはまあ常日頃から言っているわけでないがきちんと言葉にしてくれる。デートで別れる時手握って「またね、好きだよ」とこの前もちょっと恥ずかしそうに笑って言ってくれた…のにも私は「うん」と返しただけだった気がする、ごめん北斗くん。
「次いつ会うの?」
「今日北斗くんが先生に呼ばれてる用事終わったら一緒に帰る」
「じゃあその時好きって言えば」
「なんなの樹…てか恥ずかしいよやっぱ」
「じゃあ今練習でもすればいいんじゃね」
「樹に?ならないよ」
じゅりーすきだよー、何に思わないもん、あんたのことなんとも思ってないから、と棒読みで告げた好きだよの後にそう付け足して笑い飛ばせば「A」と後ろから聞こえた低い声にびくりと肩が跳ねる。
「うお、ほ、ほくとくん」
「…終わったから帰ろう」
「おい北斗そんな怖い顔すんなよ」
「してねーよ」
怖い顔?後ろから聞こえた北斗くんの顔を見上げれば確かに、怖い。まじで怖い。綺麗な人の真顔に少し刻まれた眉間の皺に「な、なんかあったのかな…なんかしちゃったのかな…」と思いながらニヤニヤとイラつく顔をしている樹を無視して北斗くんと一緒に教室を出た…が
無言無言…そして、無言。いつもだったら北斗くんが話し出すが今日は何も言わないし、私もギャンギャン話しかける気分にもなれなかった…だってさっきの顔怖かったんだもん…と思っていれば人通りの少ない道まで来た瞬間「…ねえ」と声をかけられて指先に北斗くんの手が触れた。
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七瀬(プロフ) - 朱音さん» ありがとうございます!ヒロインごと好きになって頂けて嬉しい限りです!かなり話数もあるのに最後までお付き合い頂いて本当に嬉しいです…!他のお話も時間がある際にでも宜しければご覧ください。コメントありがとうございました! (2023年2月7日 20時) (レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
朱音(プロフ) - 大好きです!愛されるべきヒロインな夢主と、図書委員の北斗くんが良すぎて一気に読み切ってしまいました、ピュアピュアな夢主と拗れてる北斗くんをナイスアシストしすぎた樹に助演男優賞をあげたいです。他の世界観も読みたくて、他の物語も楽しく拝見させて頂きます! (2023年2月6日 1時) (レス) @page49 id: 5dbaf83bc8 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬(プロフ) - そぼろPさん» 最後までお読み頂きありがとうございました!お楽しみ頂けて嬉しい限りです!ありがとうございます!最後までお楽しみ頂けていたら幸いです。次回作もお楽しみ頂けましたらありがたいです! (2023年1月2日 22時) (レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
七瀬(プロフ) - akikumaさん» 最後までお読み頂きありがとうございました!最高のお言葉頂けて嬉しい限りです、、!次回作までありがとうございます!よろしければお楽しみ頂けましたら幸いです! (2023年1月2日 22時) (レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
そぼろP(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても楽しく拝見させていただいていました。終わり方もとてもすごく好きで、全てが好きな作品でした。次回作も楽しく読ませて頂いてます! (2023年1月1日 20時) (レス) @page46 id: cdebdf4adb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:七瀬 | 作成日時:2022年12月4日 22時