[第五人格]愛なんて。[短編集]

愛らしい嘲笑。*弁護士*(リクエスト) ページ1

「なんだ、もう来たのか。」

「なっ…………にをこンの人に散々チェイスさせといて自分はのうのうと解読ですかぁ！？あの寸止めでいいんでさっさと治療してくれません？ホラしゃがんでやりますから。」

「は？そこに箱があるじゃあないか。開けろよ。」

「ウワウワ……注射器出る前提で言ってるよこの人……ひっでぇ…」

「フン。」

ガチャガチャバンバンとけたたましく鳴る暗号機をよそに裏の方へ回って箱を開ける。
既に瀕死なので一刻も早く回復したいのだが、何と着いた先には人の心を持たない鬼の様な男の元。

現に怪我をしている可愛い可愛いオンナノコを前にしても流し目1つであしらうような始末だ。酷い。ハンターよりハンターらしい。

さぁ〜てと、何が出るのかな〜。
なんかムカつくから注射器出ても嫌がらせに捨ててやろうかという考えがよぎる中、即興で作った歌詞を適当なリズムに合わせて歌いながら箱を漁る。

「負ける時はお前も道連れさ〜っと。…なんだ、ホントに注射器出ちゃったよ。ど〜すっかな〜、捨〜てよっかなぁ〜。」

「オイ何言ってんださっさと回復しろ。この役立たずのゴミが。」

「ギャッ！4台分チェイスを成し遂げた私になんて口の利き方！！あなた許されませんヨッ！」

「どうでもいいから早くしろ。先に行くぞ。」

「あー待って待って。今爆速で回復しま〜す。」

とはいえ、やっぱり自分で自分に針を刺すのには少し躊躇してしまう。
ええいままよ、と毎回刺してしまうのだけれど。
そんな私を横目に見ながら「ハンターが来たらどうするんだ…」とブツブツうるさいライリーさん。
この人のこういう所が面倒臭い。子供かアンタは。

「もしハンターが来てもライリーさんを肉壁に私は逃げる。」

「ふざけるな。どう考えてもお前が肉壁だろうが。」

「あらぁ〜、喧嘩に夢中になるのは構わへんけど、逃げなくていいん？」


あ、。

瞬間的に跳ね上がる心臓。
今まで無音だったはずの心音がけたたましく鳴り響く。

しまった。瞬間移動だったのか。まずい、攻撃が、避け

ふいに後ろから強い力で押された。

え、と後ろを確認する間もなく攻撃をくらいダウン。

朦朧とした意識の中で最後に見たのは

(あぁ、貴方は今までこうして生き残って来たのか。道理で、なるほど、)

そんなにも冷たい目で人を見ることができる訳だ。

次第に小さくなって行く後ろ姿を見詰めながら、乾いた笑いを零した。


(卑怯者へ送る。)

痛めつけたいサバイバー第1位です。*リッパー*→

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