めちゃくちゃしたくなかった再開:2 ページ9
私の手に一度視線を落とした後、再び私の顔に視線を戻した彼は一言「離せ。」と冷たく言い放った。
ゴクリ、と生唾を飲み込み震える声で「い、嫌だ」と反抗するとギチギチギチと手首を抓られた。
「イッ、イタタタタッ!痛っ、エッ痛い!なに!?なんで抓るの!?」
「手を離さないからだ。は、な、せ、手、を。」
「イ゛ッ…!…手を離したら、その、その子に何する、つもり…?痛いな…」
「何もしない。彼女の辛さはよく分かる。…俺も失った。実父は死に、この目は実の姉に。」
抓る手とは逆の手でガモーラの肩に優しく手を置くソー。
その間に割って入るクイルのマウントを無視して「ハンマーがいる。」と私の手を抓ったままポッドへ向かう。
「あ〜、何してる?」
「ポッドを頂く。ついでにコレも。」
「いや!我々のポッドは貴殿には渡さない!…ついでにAも。」
「…ついでに?どうして皆私をついでにするの?」
「そうだ。それもあるが…クイル、お前声低くしてねぇか?」
「ソーの真似だ。ソーの真似でしょ。」
「俺の真似か。」
「いいやッ!地声だ!」
「また声を低くした!」
遂に抓る手を離したかと思いきや、ズンと重い足取りでクイルの前へ向かう。
「真似をやめろ」とソーが低い声で言うと同じようにクイルも「真似をやめろ」と言う。
その瞬間、ピリリと小さく刺すような緊張感が漂い思わず後ずさる。
だけれど勇敢なガモーラの一声のおかげで緊張感は無くなった。
「…彼を怒らせたらどうなるの?」
「多分…クイルは死ぬ。」
「ワォ…貴方は彼とお友達?」
「お友達っていうか…なんか…顔見知り…」
「彼女も俺と同じアベンジャーズのヒーローだ。…もっとも、俺とはあまり接点はないが。」
ね?とマンティスに目配せすると続いてソーが「さっきのように腕を掴まれたり、名前を連呼される程仲が良い訳でも無い。」と追い討ちをかけられた。
「あ〜…思ったより複雑な関係なのねぇ…。あんまり…深入りはしない方がいい…?A…」
「そうかも。友達じゃないしね。そう、うん。」
「…話に戻るぞ。」
ちょっと傷ついたけど顔に出せばすぐマンティスに代弁されてしまうので適当に頷いてそこら辺に座る。
下らない話を挟んで結局決まった行先はヴォーミアとニダベリア。
「Aは?マヌケ共と一緒に居るか?」
「私は…」
「彼女は俺と共に行く。」
拒否権無し。
ポッドに乗り込む際に耳元で「逃げるな」と脅された。ちゃんと低い声で。
虚構 :シビルウォー→←めちゃくちゃしたくなかった再開:ガーディアンズ、ソー
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岡P(プロフ) - 初めて読ませて頂きました。どのお話もとても面白く楽しませてもらいました。これからも素敵な作品楽しみにしています。 (2022年3月9日 21時) (レス) id: eaa010ae17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もゆう | 作成日時:2020年4月30日 21時