彼という人格*リドラー* ページ27
「ねぇ、ソーセージは?」
「あ?」
「紅茶は?ピーナッツバターは?」
「バカか無ぇよそんなもん。エドワード?お前最近何なんだ?」
「だからエドワードじゃない。リドラーと呼べよ。」
前よりも1段おかしくなってしまった友人に頭を抱える。
前々から変だったが、それよりも遥かにおかしい。何と言うか、自信に満ち溢れている。悪く言えば傲慢が過ぎる。
「ボロい家だな。前からだったか?」
「ほっとけよ。なぁ、エド。お前最近ペンギンと絡んでるらしいじゃねぇか。やめろよあんなやつ。」
「あぁ、僕もそう思うよ。何でったってアイツと一緒に行動してたんだか…」
「それにこの前!GCPDの連中とスキンヘッドの殺し屋がウチに来たんだ!どっちもお前の事で!一体何し…」
「なぁこのパン少しカビ臭いな。ちゃんとしたパンか?」
「嘘、昨日買ってきたやつだぞ。有り得ない。」
慌てて賞味期限を確認すると、普通に問題なく食べられる。
「嘘だよ。」と笑いを含んだ声で言われ、思わず手に持っていた袋を彼に投げつける。
「なんでそんな嘘付くんだ!」
「君が可愛いからね。それにまだ僕の事を心配できるのか試したかったんだ。」
「当たり前だろ!友達なんだから…エドワード、本当に何をしたのか教えてくれよ。このままじゃ怖くて夜も眠れない。」
「…ふむ、良いだろう。ではまず第一に、僕はエドワードじゃない。リドラーだ。」
第2、僕はペンギンを裏切った。
笑って言える様な内容ではない。
「お前をペンギンに売って私だけは助からせて頂こう。」
「待て待て待て!そんな事したら君が殺されるぞ!」
「ハァ!?何で!連中の狙いはお前だろうが!」
「ペンギンは執着心の強い男なんだ。もし僕が自分の知らない女の家に居ると知ったら…?考えるだけで身の毛がよだつだろう。」
言われてみれば確かにそう。助かるどころか逆に殺されかねない。
コイツを家に入れた時点でもう逃げ場は無くなってしまっているのか。
そこまで気付いた時、足から力が抜けてボロボロと涙が溢れてきた。
「オイオイ、泣くなよ。さっきまでの威勢は?」
「う、うるさい、このクズ、」
「ア〜…だから君が可愛いんだよ。大好きだ。泣き虫で弱虫な所を暴力的に振る舞う事で隠そうとする無駄な足掻きが可愛いね。」
人が恐怖で泣いているっていうのに、呑気に押し倒しながら言うなど確かにエドワードがする事じゃない。
「誰?」
初めて彼の名を訊ねた。
嬉しそうに笑って彼が答える。
「リドラーさ。」
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岡P(プロフ) - 初めて読ませて頂きました。どのお話もとても面白く楽しませてもらいました。これからも素敵な作品楽しみにしています。 (2022年3月9日 21時) (レス) id: eaa010ae17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もゆう | 作成日時:2020年4月30日 21時