[アメコミ] 瓶で殴る。 [短編集] (ページ12)

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友達。GOTHAM[ペンギン] ページ12

「オズ、オズワルド…何…今何時だと思ってるの……」
「気付いたんだ、僕、気づいたんだよ。」

けたたましい鈴の音に目を擦りながら受話器を取る。
怒りの心中を伝えるも、その訴えはすぐに彼の興奮した声によって掻き消された。

「気付いたって…何が？」
「僕は彼を愛している。真実の愛だよ！やっと見付けた、人生で1度きりの、」
「あぁそう…愛してるの…良い事だね…」
「真剣に聞いてよ！A、それでね、僕は、彼に告白しようと思う。」

10秒程時間が経っただろうか。
中々返事を返さない私に痺れを切らして「もういいよ、今から君の家に行く！」等と一方的に電話を切られた。掛けてきたのは向こうなのに。

彼が来るまで放心状態だった私は、いつの間にか合鍵を作られていた事とまだ私はパジャマだった事に今気づいたが後の祭り。
押しかけてきた彼は部屋に入るなり私の寝そべるベットへダイブ。

「オズワルド、その入り方はどうかと思うよ。ましてや女性の家なんだから。」
「良いだろう、僕達は友達なんだから！」
「…うん。」
「本題だけど、僕はエドワードに恋しているみたいなんだ…。」

エドワード。
聞いた事あるな、と首を傾げている間にも彼は隣で如何にその『エドワード』が魅力的であるか、真実の愛がどうとかを熱く語っている。

「…オズワルド。」
「なぁに？」
「どうして私に話そうと思ったの。」
「決まってるだろう、友達だからだよ！」

さも当たり前の様に告げられた言葉。
ふぅん、と少し考えてまた口を開く。

「あのねオズワルド、私はね、貴方の事を愛してたんだよ。」
「そうなの。」
「うん。そうなの。」

それっきり、また『エドワード』の話に戻る。
彼にとっては1つ返事程度のものを、私は。

「私も同じ様に愛してるんだよ。」

そう伝える隙もない。