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その瞬間、あんなに動かなかった脚が嘘のように軽くなった。気付けば私は無我夢中で走り出し、荒らされた庭を駆け抜け倒されたドアを飛び越える。
家の中には近所に住む人や知らない人、友達だと思っていた人達が何かを囲んで踊り狂っていた。
アンタの目で確かめな。
あの男の言う事が嫌に引っかかったので、傍にあったデスクの上に飛び乗り上半身を屈ませ彼等の中心を背後から覗き見る。
血塗れの人だった。
母さんと同じ服を着た女性だった。母さんと同じ髪型の女性だっだ。
遠くで誰かが叫ぶ声を聞いた。
私の声でした。
「あっ、あぁ、ひぃっ、ひ」
「金持ちのお嬢様って感じの顔じゃねぇよな。」
「なんで、なんでぇ、」
「その荷物は?随分買い込んだな。」
ひょい、と袋を取られ、反射的に上を見上げる。
床に転げ落ちた私を見下ろすマスクの大男。
「アンタ1人で食うのかい。」
「ちが、妹に…妹、妹は何処ですか!?お願いします、妹だけは殺さないでくだっ、さいおねがっ、します、」
ふむ、と泣いて縋る私を暫く見つめた後、首根っこを掴んで宙ぶらりんの状態にさせる。
「安心しな、妹は殺さない。」
「…う、うぅ、ありがとう、ありがとうございます、!」
「殺さないってより、殺せないな。」
「…?えっ、?」
妹の無事を約束され、喜びきっていた私は涙でぐしゃぐしゃに濡れた間抜けな笑顔のまま固まった。
またもや男の目が三日月型に細く歪み、続いて喋る。
「死んでる奴はもう殺せねぇだろ。」

動かない景色*キングスマン*→←後悔【バットマン】*ベイン*



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アリス(プロフ) - 愛が重いバッキーを書いて欲しいです! (2023年1月23日 22時) (レス) id: 725213f986 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もゆう | 作成日時:2019年10月6日 16時

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