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後悔【バットマン】*ベイン* ページ9

「母さん、私この日に友達と映画を見に行くから。」
一応言っておこう、と何気なくカレンダーを指差した。
すると妹が足元で「わたしも行きたい」と呟きねだる様な目線を投げかけてズボンの裾を握ってくる。
また始まった、と面倒くさがりながら手を振り離せばたちまた地団駄を踏み「わたしも!わたしも!」と泣いて繰り返す。
「煩いな!母さんと行けばいいでしょ!」
荒々しく叫んでわざとドアを強く閉める。
ドアを挟んでもぎゃあぎゃあと泣き叫ぶ声が聞こえるのに眉を寄せ、帰りに機嫌取りとしてお菓子でも買っていこう。とため息を吐いた。

「この街は市民の物であり、権力者や金持ち共の物ではない!」
マスクを付けた大男の大演説から数分もしない内に街中から炎やガラスの破片が飛び散った。
刑務所からの脱獄犯が武器を持って街を闊歩する。斧やナイフを片手に市民が金持ちを襲う。
必死で走った。どうか、どうかうちだけは。
「そんなに慌てて何処へ行く。」
「ひっ」
曲がり角。そこを曲がればすぐに家の敷地なのに。
見上げる程の背と後ずさりしたくなる程の体躯に思わず小さく鋭い悲鳴をあげる。
演説の時とまるで変わらない恐ろしい形相の異常者がそこに立っていた。
泣き叫んで逃げ出したいが、脚が凍ったように動かない。
「…ここらの住人か?一足遅かったじゃねぇか、もうぜんぶ壊れちまったぜ。」
「何、一体何を、」
「アンタの目で確かめな。」
クイ、と顎で角を示される。男の目は三日月の様に細く歪んでいた。

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アリス(プロフ) - 愛が重いバッキーを書いて欲しいです! (2023年1月23日 22時) (レス) id: 725213f986 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もゆう | 作成日時:2019年10月6日 16時

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