嘘と真実。*ニック・フューリー* ページ5
「フューリー?」
反射的に銃を構える。
ちょっと!と慌てて手を上げるのは部下のA。
いや、Aの姿をしたロキだという可能性も大いにあるが。隣にいるキャプテンでさえ盾を構え臨戦態勢だ。
「な、何よ2人して…。まさか操られてるの?」
「それはお前かもしれんな。」
「はぁ?それよりロキは?アイツ急に消えて…」
「ロキは変身能力を持っている。A、僕らしか知らない秘密を何か1つ話してくれ。そうしたら警戒を解くよ。」
「急に言われても…。」
うーん、と手を上げたまま上を見つめて悩むA。この仕草でさえロキの演技なのではと疑ってしまう。
あ、と何か思いついた様で
「あ、でもこれは…う〜ん…」
「早く。何でも良いんだ。」
「…何言っても怒りません?」
「あぁ。」
「昨日長官のドーナツ食べたの私です。」
間髪入れずにパァン、とけたたましい発砲音が響く。
ギャアア!!と真っ青な顔で叫ぶAに「食った罰だ。」と弾をわざと外したフューリーが無感情に言い放つ。…やりすぎじゃないか?
「ひぃ、ひ、怒らないって言ったじゃないですか…」
「それとこれとは話が別だ。それより早くロキを探すぞ。奴に逃げられては敵わん。」
「そうですね。疑いも晴れたことですし…」
「演技が上手いのね。」
冷たく低い声が響く。
視線を移すとAの後ろにAが。いた。
「なっ…」と今まで話していたAが後ろを振り向くのと同時に鈍い音を響かせて殴り飛ばされる。
ゴキ、と手首を鳴らして殴った方のAが「全然気づかなかった?」とこちらを睨むので誤魔化すように通信を繋ぐ。
「ロキが見つかった。…Aに化けていたらしい。」
「長官とキャプテンは変身に全く気づかなかったマヌケでしたってのも追加して下さい。」
「…お前の普段の行いが悪いから疑うにも疑えなかった。普段から俺の物を食ってるだろ。」
「長官、こんなに長い付き合いなのに私の事ちっとも分かって居ないんですね」
ム、と黙り込むフューリーを気にもせず話を続ける。
「ドーナツだけで満足する訳ないでしょう。アイスも食べました。チョコのやつ。」
自信気に話すAへまた銃を向け始めたので慌てて止める。
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アリス(プロフ) - 愛が重いバッキーを書いて欲しいです! (2023年1月23日 22時) (レス) id: 725213f986 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もゆう | 作成日時:2019年10月6日 16時