[アメコミ] Other [短編集] (ページ4)

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前戯:ラムロウページ4

「ぅお、」
「どうした。」
「見てラムロウ、鼻血。」
「んだ鼻血如きで。おい来たぞ、配置に。」

垂れないようにべろりと舐め、標準を合わせる。
大抵接近戦が多い分、ビルの上に立ってライフル構えてじっと待つだけの仕事がとてつもなく退屈に感じる。動くことがない。

「キャップとの仕事が待ち遠しいなぁ。見えないところから殺すなんて卑怯だ。」
「お前芝居下手だろ。キャップに恋する新人女エージェントの役なんかやれんのか？」
「ちょっと黙って、集中してる。メガネ？ハゲ？」
「ハゲ。」

空気を切り、無事に頭をぶち抜いたのを確認してから「行くぞ」の合図でライフルをしまう。
丁寧にケースにしまっている暇はないのでこれでコイツは終わりかな、と諦めながら袋へ詰める。弾は抜いたから大丈夫だろ、多分。

「ラムロウ、次は。」
「聞くか？飛んで喜べ、シールドに侵入だ。役を説明するから早く戻れ。」
「マジ！？愛してるラムロウ。ホントにホントに愛してる。ねぇキャップの素顔ってイケメン？」
「ま～あ俺の方が格好いいが、良い方だろ。」
「え～期待しちゃう。写真撮って部屋に飾ろ！髪の毛も欲しいなぁ。」

「早くしろ」と小型の通信機から不服そうな声が聞こえる。
本当なら小躍りしたい気分だが、時間が無いのでヘリに乗り込んでから仲間と騒ぎ散らかした。
絶対に私がキャップを殺す、と豪語し、その夜は飲み明かした。

「キャプテン・アメリカ。Aです。」
「あぁ、君が。この仕事は女性には少し辛いだろうが、くれぐれも死なないように。」
「はい、貴方の役に立てるように。」

一目見て、世界のイケメンの基準になってると確信した。そのぐらい格好いい。惚れた。
あんまり私には期待していないようだったけど、まぁ仕方ないか。

「ラムロウ、Aにこれからの任務の説明を。」
「勿論キャプテン。ラムロウだ、足手まといは置いていかれると思え。」
「はい、心に留めておきます。」

ストライクチームへようこそ。

誰にもそう言われなかったから自分で自分を祝福した。エラ～イ私。