[アメコミ] Other [短編集] (ページ2)

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愛故:パワーリングページ2

「見つけた！！」

大きな声と共に天井が破壊され、一気になだれ込んでくる旧友とも言えるような見慣れた顔達。
その中で緑に輝き一際目立つ彼を視認した瞬間、心の中で何かが弾け世界が白む。

悪友であり1番に死を願う憎い男と同じ顔、同じ様な能力。
だけれど決定的に何かが違くて、それでいて私の理想の彼だというのは分かった。

「ねぇ、ね、バッツ。ハルがいるよ、呼ばなくていいの？」

「あれは奴の偽物だ。惑わされるな。」

「へぇ、じゃあ私が貰っても世界に影響無いね。ねぇ君名前何て言うのぉ？」

「おい貴様…ッ！」

一応、と彼の仲間である腐れ縁のヒーローへ確認を取ってから精一杯声を張り上げて名前を聞く。
すると面白い様に跳ね、「な、なんだお前、名前？そんなの聞いてどうするんだ…！？」とどもりながら警戒されてしまった。

「君の名前を教えて欲しいだけだよぉ！ねぇ！名前はァ！？」

「う、うるさいッ！ボクはパワーリングだ！こんな黄色いパワーで勝った気になるなよ！調子に乗るなッ！僕の前ではこんな力、無意味だッ！」

「無意味だと？面白い事を言う。」

ドンガラガッシャン。
バットマンが使用していた時よりも明らかに輝く閃光の様な黄色い光が瞬いた。
吹っ飛ばされたパワーリングは気が動転したのか、先程の威勢は何処へやら情けない走り方で脱兎のごとく逃げ出した。

その走り方も可愛いなぁ、と思わずポソリと呟くと横を通り過ぎるシネストロにまるで汚物を見るかの様な目で見下ろされた。

「シネストロォ～！来てくれて嬉しいよ！登場の仕方もカッコよかったしね！たださ、もう少し綺麗な入り方できないの？」

「バカにされたのだ。冷静で居られるものか。」

「あぁはいはい。どうでもいいけど殺さないでね。私が貰うから。ね、絶対だよ。」

「何故私が貴様の言う事など…」

「約束して。」

「…最善を尽くそう。」

こんな事言ってもちゃんと殺さず連れてきてくれるのを私は知ってる。

その後のパワーリングはね、ちゃんと餌をやって、清潔にして、私が居なけりゃ生活できないように育てて一生愛でるんだ。

そんな事をボヤけば「よく人間してられるな。」とコールドに笑われた。