【wrwrd!】some storys (ページ10)

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▲旅人 os ページ10

今日も森を歩く。
少しの間故郷を離れ、知らぬ土地でのんびりするのは良いものだ。
だが今回は雨が降っているから、洞窟に泊まるしかない。
アイツめ……面倒な事を押し付けやがって…

『今回はついてないのぉ…』

雨が強くなってきた。
無事に過ごせれば良いのだが…

何処からかの叫び声。
少し近い所で撃たれただろう銃声音。
煩い。
この悪天候の中、何をしているのだ。

ドサッ……
近くで何かが倒れた音。
気になるから見てみるか…

見てみると、そこには何処かの国の偉い人だと分かる服を着た人が倒れていた。
服は赤い染みがチラホラと。
きっと、さっきの音と関係があるのだろう。
あまり助けたくはないが、このままじゃこの人は………………

オ「っ………ん…」

目が覚めたみたいだ。
雨で体が冷えていたのに、意識がすぐに戻ったのは凄いな。

『お主、大丈夫か？怪我は痛まぬか？』
オ「…どちら様でしょうか」

警戒されるのは予想済みだ。
徐々に解いていくしかなかろう。

『うちの名はA。お主がここの近くで倒れていたから手当てをした。勝手にしてすまぬな』
オ「助けていただいてありがとうございます。私の名前はオスマンです」
『別に敬語を使わなくても良いぞ。あと、何があったか聞いても良いか？』
オ「…いいで。実はな…」

簡単にまとめると、外交の帰りに襲われてしまった。護衛とも離れてしまい、逃げながらここまで来たらしい。

『ほぅ…じゃあお主は外交官か』
オ「そうやで。Aさんは…ここに住んでる……てことではなさそうやね」
『うちはただの旅人や。雨が酷いからここで過ごしてたんや』
オ「そうなんやね。……本当にありがとう。Aさんが助けてくれなきゃ、多分敵に見つかって人質になってたわ」

ドクン……
何やこのドキドキ。
もしかして、これがアイツらが言っとる恋か？
私はオスマンという人が好きなのか？
……嘘だと言っておくれよ。

『確かオスマンと言ったな。オスマン、お主は国に帰りたいか？』
オ「勿論。皆を不安にさせたりする訳にはいかんからね」

だって…私と彼は…

『…うちが行ける所までついてったる。雨がやんだら出発しよか』

……”敵“なんだから。

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Aは我々国と敵対している国の幹部で、お使いを果たしにプチ旅をしていました。