○放送 rb ページ34
『………よし』
私は依頼された曲を流す。
お昼の時間、室内にはほとんど人は居ないので居心地がいい。
ロ「Aのお弁当美味しそー！」
『いります？』
ロ「いるー！！」
私の先輩、ロボロ先輩はおかずをパクっと食べる。
いつも放送室には2人だけ。
私はこの時間が楽しみで仕方が無い。
『あ、先輩。そのCD流してもらえますか？』
ロ「オッケー」
曲の切り替え、少しでも長く流すためには効率よくしなくてはならない。
ま、のんびりしていてもいいんだけど。
なんて思いながら食べていると、先輩はため息をついた。
私は疑問に思ったので聞いてみた。
『どうしたんですか？』
ロ「次の時間、体育やん…それも持久走……」
『お疲れ様です……』
嫌だぁー！！と叫ぶ先輩。
私にはどうする事も出来ないのだ。
先輩は私の方を見て、話しかけて来た。
ロ「A、頑張れるおまじない頂戴！」
『おまじない？』
ロ「うん！」
先輩はキラキラ目を輝かせ、私に頼む。
おまじないとは……？
でも、先輩の言うことは聞かなきゃ…。
私はCDの曲を変え、先輩の方を向く。
『いいですけど、何をしたらいいですか？』
ロ「いいの！？じゃあ、目、瞑って？俺がいいって言うまで、開けちゃダメ！」
ニコニコと先輩は言う。
私は指示に従い、目を瞑る。
すると、太ももに重力がかかる。
何でだろうと思ったが、目を開けない。
ロ「目、開けちゃダメだからね？」
先輩にもう1度言われる。
何故だろうと思うと、手を握られ、唇に何か当てられた。
私はビックリして開けそうになった。
押し当てられていたが息が苦しくなり、先輩に訴える。
『ん…！んん！！』
離されたので、私は息をするために口を開ける。
腰辺りを撫でられている。
ロ「ん…もう開けてええよ」
『先……輩……！』
私は恥ずかしくて、顔をあげられなかった。
先輩はクスッと笑い、私から降りた。
そして、マイクのスイッチをつけて放送終了の知らせを言った。
私の仕事、だったのに。
ロ「可愛かったわぁ。これで頑張れる」
愛おしそうに頭を撫でてくれる。
どうしよう、先輩がカッコよすぎる。
『……時間、大丈夫なんですか？』
ロ「もうそろそろ行くわ！じゃあね！」
先輩は靴を履き、出ていくのかと思うと戻ってきた。
私の耳元で話す。
ロ「明日もおまじないしてくれたら嬉しいな」
ニヤニヤした顔で言われ、そのまま去っていった。
私はその場に座った。
『先、輩……』
この顔だと、教室に戻れないじゃないですか
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