【wrwrd!】some storys (ページ29)

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▲求婚 gr ページ29

グ「A俺と結婚してくれ」
『もう、いい加減にしてください！！』

私に求婚をしてくる我々国のグルッペン様。
”一目惚れした“と言い、会う度に言葉を投げかけてる。
私もそろそろ嫁いだ方がいいと思うのだが…

『私はこの国を守らなくてはならないので、身を固めるわけにはいきません』
グ「Aには兄が居ただろう。何故Aが王座に就く必要があるのだ」
『兄上は叶えたい夢がごさいます。もう、この国にはいません』

私は兄上の代わりに王座に就く。
兄上が帰っていらしたら少し時間を置き、王座を兄上に譲る予定だ。
譲った後、私は兄上が選んだ国に嫁ぎに行く。
これは家族全員で決めたこと。
”兄の夢を叶えてあげたい“これが、お父様の願いだった。

グ「婿を貰うのか？」
『そのようなことはしません』
グ「そうか……」

少しずつグルッペン様が私に近づいてくる。
私は逃げる様に下がるが、壁にぶつかってしまう。
そして、グルッペン様に捕まってしまった。
私の肩に顔を押し付ける。
顔の距離が近い、左右には手がある。
これは…使用人がよく言っていた、壁ドンというものなのか？

『グルッペン様おやめください』
グ「本当にダメなのか…？」

消えそうな声で私に問う。

『…はい』
グ「こんなに…好きなのに…」

心が痛む。
今まで、立場しか見ていない貴族や王子とのお話しかしていなかった。
だけど、私自身をこんなに愛してくれる人は初めてだった。
私だって、グルッペン様と結婚したくない訳では無い。
この方と結婚したら幸せだろうと、何度も思った。

グ「…これぐらい、許してくれ」
『え…ｯ!』

優しいキスに見え、深いキスだ。
初めてだから息が上手く出来ない。
離してくれたから口を開く、そしたら舌を入れられた。
求めるような動き、恥ずかしい。
声が外に漏れてなければいいのだが。

『ぅ…ぐ、グルッペン様……』
グ「……すまない。可愛かったから、つい……」

倒れそうな私を支えるように抱きしめる。
もう、将来私はこの方と結婚した方がいいのでは…と考えてしまう。
でも、兄上がいつ帰ってくるか分からない。
だから、グルッペン様を縛るわけにはいかないのだ。

『……兄上が帰ってくるまで、誰とも結婚していなければ考えても…』

ボソッと言ったはずが、グルッペン様には聞こえていたようで。

グ「安心しろ、俺の隣はAだけだ」

……兄上。
私、この方と結婚しそうです。