【wrwrd!】some storys (ページ26)

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▲嫌いな能力 zm ページ26

(＊夢主は能力持ちです)

私は能力者だ。
人を傷つけたくないのにしてしまう。
だから1人で行動する、それが当たり前だった。
そう、数年前まではそうだった。
今は違う。
今は我々国という国で幹部として生きている。
周りはほぼ能力は持っていない。

『こんな力なんて……』

私の能力、獣化と操りだ。
獣化は私の場合、狼に変身する能力。
操りは物を操る能力だ。
獣化はよしとしよう、問題は操りだ。
暴走して仲間を攻撃してしまうことがよくある。
それを裏切りに使おうとする敵もいる。
だから、この能力は嫌いだ。

ゾ「なーに思い詰めとんの」
『ゾム……別に…』
ゾ「話してみろよ、聞いたるで」

ゾム、この国の幹部でとても強い。
能力を持っていないのが意外だ。
暴走した私をよく止めてくれる、優しい人だ。

『能力は嫌いだし、捨てたいなって思っただけ』
ゾ「そうか？俺は好きやで」
『……操りの能力なんて人に迷惑をかけるだけ』
ゾ「カッコイイと思うけどなぁ」

周りの人は口を揃えてそう言う。
生まれた時から持ってる能力なら私だって好きだ。
でも、この操りだけは違う。

『だって、実験で無理やり入れられた能力やし……』
ゾ「…は？マジ？」

今は滅びた国に捕まっていた時、実験体として生きていたのがとても懐かしい。
あの国は皆の能力が暴走してぶっ壊れたっけ。

『この能力が無かったら夢が叶ってたんかな』

私の夢、幸せな家庭を作ること。
でも、能力持ちだから恐れられて相手が出来ない。

ゾ「俺なら叶えられるで」
『なんでよ』
ゾ「だって俺、Aの事好きやから」

びっくり、ゾムがそんな事言うなんて。
でも、私は友人としか見ていないから…

ゾ「どうせ友人としか見てなかったやろ？」
『うっ…ごめん…』
ゾ「大丈夫や、どうせ惚れさすから」

何処からその自信が生まれてくるのだろう。
私は彼を傷つけてしまうのが嫌だ。
でも、ゾムは私の考えを壊すかのように言った。

ゾ「能力？そんなん関係ない。俺は戦場でもめっちゃ強いねんで。それでAを悲しませたりせぇへん。俺はアイツらよりAを守れると思うんやけどなー」

私はその言葉でもう十分だった。
ゾムにありがとうと言う代わりに、抱きしめてやった。
顔が赤くなってワタワタしてたけど、面白いからいいや。

私とゾムが付き合うまでもう少し。

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夢主の夢はいつも本人がボソボソ言っていたので、ゾムは知っていました。