人の話は聞こう rbr ページ22
*
「Aなんてもう知らん!!!!」
そう言い捨て、ロボロが家から出て行って数時間経った。
出て行ったのが昼頃だったからまだ夜まで時間はある、凍えることはない…はず。
『勘違いだって言ってんのに……』
ロボロは私が男とキスしたって言ってたけど、本当は男装してる女友達がかっこよすぎて顔を近づけて見てただけ。
それにあの子、今度のイベントでコスやるんよーとか言ってたっけ。
……いやいやいや、今はそんなのどうでもいい。
『探しに行った方がいいんかなぁ…?』
仕事で足を痛めているため、あまり歩いたり走ったりしたくない。
でも、ロボロに会えなくなるのは嫌だし何かあったらどうしよう。
『…探すか』
私はスマホを持ち、何人かの友人にメッセージを送って玄関へ向かう。
あまり遠くに行ってないといいけど………。
『見つかんない、どこ行ったんやろ』
外へ出て約1時間経ったが見つからない。
友人からの返事も「知らない」としか返ってこない。
流石ホビット………じゃなくて、早く探さないと夜になってしまう。
しかし、自分の足は少しずつ痛み始めていた。
『寒いし痛いとか、そろそろヤバい』
痛みをこらえながら辺りを見渡しながら歩く。
暫くすると、何処からかロボロの声が聞こえた。
目を凝らして見渡すと、少し離れた所にロボロの姿が見えた。
『ロボロ…!』
見失う前に行かなきゃ、そう思った。
「ロボロ!!」
『……え』
けれど、ロボロの方へ走って行ったのは可愛い女の子。
ロボロは私じゃなくて、その女の子に目を向けた。
『…なんだ』
私はただの遊びだったんだ。
そう感じると段々力が抜けてきて、その場に座ってしまいそうになる。
しかし、私の腕を誰かが掴んだ。
「Aちゃんやんな、大丈夫か?」
『…ゾムさん、でしたっけ』
「あっとる。んで、どうしたん?こんなに身体冷やして」
『……まぁ、少し色々ありまして』
ゾムさんはロボロの友人の1人。
私はこの人の連絡先は知らないからメッセージは送れてない、だから喧嘩の事は知らない。
ゾムさんは私の体を支え、歩き始めた。
「話は後で聞くから俺の家に寄ってや」
『え、でも…』
「これ以上身体冷やしたらアカン。それにその歩き方やと、足痛めとるやろ」
『……では、お言葉に甘えて』
私はちらっと、ロボロがいた場所を見た。
女の子と会って何処かへ行くのだろう、ロボロは私と逆方向に歩いていた。
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こんにゃく - お疲れ様でした。とてもなめらかで綺麗な文章を書かれていて、読んでいてとても幸せでした。本当にありがとうございました。 (2019年5月17日 20時) (レス) id: 0fb3eb8127 (このIDを非表示/違反報告)
羅(ろう)(プロフ) - はるさん» 小説を読んでくださりありがとうございました。好きと言ってもらえてとても嬉しいです。これからも無理をしない程度に頑張ろうと思っています。今まで本当にありがとうございました。 (2019年5月15日 20時) (レス) id: 14801f692c (このIDを非表示/違反報告)
羅(ろう)(プロフ) - キヅキさん» 小説をいくつか読んでくださりありがとうございました。他の場所で巡り会える確率は低いと思いますが、キヅキ様のような優しい方に読んでもらえるように頑張ります。今まで本当にありがとうございました。 (2019年5月15日 20時) (レス) id: 14801f692c (このIDを非表示/違反報告)
羅(ろう)(プロフ) - 葉月さん» 最後まで見てくださり、ありがとうございました。リクエストをくださった時は本当に嬉しかったです。Twitterのフォロー申請は鍵垢なら全て通しているので、お気軽に申請してくださっても構いません。本当に、今までありがとうございました。 (2019年5月15日 20時) (レス) id: 14801f692c (このIDを非表示/違反報告)
はる - お疲れさまでした。小説、面白かったです!大好きです!これからも、頑張ってください。いつまでも、応援しています。本当にお疲れさまでした。 (2019年5月8日 3時) (レス) id: d3b8419922 (このIDを非表示/違反報告)
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