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140:大きな教会 ページ42

(アタナシオスside)

濃い霧に包まれた道を勘を頼りに進む。こんなに霧が濃い所ははじめてだ。どこかに彼女のヒントでもあったら助かるんだけど、それは望むだけ無駄になるかもしれない。

霧が濃い場所に彼女がいるかもしれないなんて俺も馬鹿なことを考えたものだ。それでも、彼女がいそうな所なら例え火の中水の中行くって決めたんだ。ここで引き返す訳にはいかない。

何度か幹にぶつかりそうになりながら、霧を縫って前に進む。

何とか霧を抜けられそうだと期待に胸を膨らませた俺の前に大きな教会が現れた。こんな所にも教会があるなんて。


「ここでも神様に頼んでみるか」


俺は口元に笑みが浮かぶのを感じながら、一歩ずつ教会に近づく。心臓が高鳴るのを感じた。ここの神様が聞いてくれるか緊張しているのかもしれない。

前に行った神殿は何故か壊れてしまったって風の噂で聞いたけど、ここなら壊れることはないだろう。こんな辺鄙な誰も来ないだろう所に建っている教会が壊れても誰も得をしないのは目に見えているから。


「……誰かいるのか?」


教会の扉が開いている気がした。こんな森の奥にも人がいるらしい。教会がある時点で気がつくべきだったか。

俺は軽く頭を横に振ってから教会に入る。中には綺麗なステンドグラス。まるで天上の世界を見ているようだ。

にしても、こんなに扉のある教会は珍しい気がする。彼女を探して色んな教会や神殿に行ってきたけど、こんな教会はあまり見たことがない。


「まずはお祈りを済ませてからだな」


俺は祭壇の前に跪く。両手を組み、頭をうなだれて。そして口を開いた。


「我が名はアドニス。聖アナスタシア様、どうか彼女に逢わせてください。もし、無理でもせめて情報だけでもください。お願いいたします」


神殿や教会に行き慣れた俺は見るだけで、そこが何を祀っているのか分かる。

だがこの時の俺は知らなかった。ここに俺の名前を貰った壊れた神殿がいることを。そいつに遭遇してとっさに思いついた偽名を名乗ることになることを。知らなかったんだ。

141:探索→←137:名前の由来は?



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零兎(プロフ) - 小説読んであらすじ見てきますー (2017年8月1日 21時) (レス) id: 377a049b03 (このIDを非表示/違反報告)
零兎(プロフ) - [壁]_-)お久しぶりです。誰か居ますか? (2017年8月1日 21時) (レス) id: 377a049b03 (このIDを非表示/違反報告)
みかん☆ - 更新します! (2016年7月31日 21時) (レス) id: 2b73766c3c (このIDを非表示/違反報告)
神楽柚希.@じゅんは我の彼氏.(プロフ) - 猫田あみいさん» 教えてくださりありがとうございます…!!タイトル入れてきますねッ. (2016年5月31日 23時) (レス) id: f95df422fb (このIDを非表示/違反報告)
猫田あみい(プロフ) - 神楽柚希.さん» タイトルが抜けてますよヽ(´o`; (2016年5月31日 20時) (レス) id: 26aa867e92 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りあ x他6人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2016年2月23日 0時

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