【企画小説】忘却の街.third

136:寝起きからうるさい ページ40

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＜裕也side＞



「ちょっとカストさん…うわー！？」


…姉ちゃんが寝てからかれこれ30分。

なんかひまー、俺も寝たいなーとかぼーっとしてたら、

社の叫び声が耳に響いた、はい冒頭←


「いたっ。……もー、やしろーん、避けないでよ〜。」

「避けるに決まってるじゃないですかー、後やしろん言わないでください」


どうやら原因はサニーみたいで、社のしっぽに飛び付いたらしい。

それに驚いた社は反射的に飛び退き、床に頭をぶつけた姉ちゃんはお目覚め。


……の、はず……？


「ちょっと！？頭床にぶつけたんだけど！！脳細胞死んじゃうじゃんか！」

良かった生きてた。

うん、流石姉ちゃん。寝起きからうるさいね！さっすが姉ちゃん！


「げー……。起きちゃったのかー…」

「ねぇやしろん、最近辛辣になってない？なんか厳しくなってない！？」

あぁバカになっちゃう〜…

なんて今更なことを言い出すあかりを盛大に笑い飛ばしてやった。


「あかりがバカだなんていつものことじゃん」

すぐさま噛み付くように反論が飛ぶ。

「体育と美術だけは学年一位だったからね！っていうかあかりっていったね！久しぶりに聞いたよお姉ちゃん感激！」


……油断して【あかり】って呼んでたみたいだ。

ニコニコ笑って"うれしー！"なんて喜んでる姉ちゃんを見て、

安心した、やっぱり好きだな、なんて思ってないからね。(※姉弟としてです)


「ふふ、裕也大好きー！！」(※姉弟として)

「はぁ！？」


…姉ちゃんの額とこめかみに汗が伝っていたのは、

気のせい、ってことにしておこうか。

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