【企画小説】忘却の街.third

129:淡い期待とワガママ ページ32

ただただ独りで泣いていた。
独りじゃ、生きられない。なんて事は無かったのだ。
永遠に枷に繋がれ辛く、苦しむだけで。

恐くて、怖くて、恐ろしく感じた私はきっと、独りじゃ居られないだろう。
あぁ、いっそのこと居なくなれば...

出来損ない、私はワガママで、怖いだけ。
支える人が居るか居ないかだと、こんなに違う。
反面教師で、私は弱い人間だ。

「......いっそのこと、居なくなりたい。...存在する意味なんかない。」

そっと周りを見た。我に返った。

「......こんなこと、思っちゃダメだよね。...誰か居ないかな。」

...こんな姿で見られたら恥ずかしいけど、落ち着いたら、動けるはず。

誰かと会えますように。
淡い期待をのせて、休みはじめた。

「...酷い顔。長めに休まなきゃ。」

大人しくボーッとしていた。
思い帰すように。

そして、会えたらどうしようかと、思いながら。
今日も過ぎていこうとしていた。

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