《小説》アルビレオ、北天の宝石 ページ18
「…こんな翼なんて、なければよかったのに」
生まれてから16年。
この言葉を何度つぶやいただろう。
幼い頃から飛べないことで蔑み疎まれてきた僕はずっと独りぼっちだった。
祝福されないで生まれる子供はいない、だの何だのと言うけれど僕はきっと生まれてきてはいけなかった存在なんだ。
その証拠に、人の目に触れるたびに陰口を叩かれ、石を投げられた。
『お前なんかこの村にはいらねぇんだよ！』
『飛べない天使だなんて…！ありゃきっと悪魔が化けているのさ！』
悪魔だって飛べるだろう、なんて屁理屈が浮かぶけれど無力な僕はただ向けられる理不尽な悪意に黙って堪えるしかなかった。
＊
居待月が空に昇る頃。
ボロボロになった身体を丸めて、薄っぺらい毛布を纏っていた僕は背後に人の気配を感じた。
誰だろう。今まで散々村の人たちに痛めつけられてきたけれど、夜にまで僕のところに来る人なんていなかったのに。
茂みが揺れ、小さな頭がひょこっと飛び出てくる。僕は思わず体を震わせた。
「ねぇ君！そこで何してるの？」
夜空に浮かぶ星と同じくらいキラキラとした笑みを浮かべる少女が葉っぱにまみれながら立っていた。彼女が立ち上がった瞬間、殴られるのかと思い縮こまった僕だったけれど、予想外言葉に目を瞬かせる。
「え、え…？」
「だーかーらー！何してるのって聞いてるの！」
殴らない、のだろうか。思案していると頬を膨らませていた少女はいきなりぱちん、と手を打ち僕に掌を差し出してくる。
「な、何…？」
「何…って、友達！友達になろ？」
君も夜に探検するんでしょ？私もなの、楽しいよね！だなんて言いながら少女は無理矢理僕の手を掴んだ。
「ねぇ、名前は？」
「…リヒト。リヒト・ブラウ」
「よろしく、リヒト！私は＊＊だよ」
初めて触れた体温は、温かくて、柔らかかった。
＊
また君の夢を見た。
君がいなくなってから毎日、僕は君を夢に見てるよ。
ああ、そうだ。今夜はアルビレオが綺麗に輝いてるんだ。
確か、赤が君で青が僕だったよね。
君が二重星を見て、仲良しの私たちみたいって言ってたのを覚えてるんだ。
でもさ、＊＊。
あの二つの星は隣り合っている訳じゃないんだって。
近くて、遠い。…やっぱり、僕らみたいだ。
僕は今日、村を出るよ。君を探しに行くんだ。
何処にいても、絶対会いに行くよ。
だって、まだ伝えられてないから。
「僕と、トモダチになって下さい」って。
.
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りあ(プロフ) - 如月彩芽さん» 了解しました！追加させて頂きますね！ (2016年5月8日 22時) (
レス) id: 992ea4a363 (このIDを非表示/違反報告)
如月彩芽 - 新キャラ、雨好きのてるてる坊主、水沢 英を作りました！追加をお願いします！！ (2016年5月8日 20時) (レス) id: 60d56f7c62 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - かりぃさん» いえいえ！追加させて頂きました！ (2016年4月15日 23時) (レス) id: 992ea4a363 (このIDを非表示/違反報告)
かりぃ - りあさん» 新キャラ作ったので追加をお願いします(*´∀`)♪お手間お掛けします(；・ω・) (2016年4月15日 22時) (レス) id: dc294d9627 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - かりぃさん» お久しぶりです！はい、大丈夫ですよ(^^) (2016年4月13日 21時) (レス) id: 992ea4a363 (このIDを非表示/違反報告)
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