ユアアイドル (ページ2)

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春

まだ少し肌寒い風とキラキラと舞い落ちる桜の花びらが入り交じり、新学期特有の少し浮ついた空気感がそこら中に溢れてる

まだ硬いローファーとシワひとつない制服に身を包まれて、これぞまさに青春って感じ。

そんな、誰もがドキドキとワクワクで期待を膨らませる中、ただひとり私は無心で足を動かしていた

｢あー同じクラスなれるかな？？｣

｢違ったら私ほんまどうしよう！！｣

｢俺らの高校可愛い子多いって有名らしいで！？｣

｢いやそれ絶対うそやんwwwww｣

なんて、ちょっと不安がって楽しそうに話す女の子や、小中学生みたいな会話をする男子が目に入る

私にはないモノ

きらきらしてる空気感もほんのり赤い唇もラメがかった目元も仲のいい友達も

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全部全部、私とは真逆

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私は誰にも迷惑をかけず、ただひっそりと3年間を過ごすだけ

『目指せ卒業式に誰あの子って言われるランキング1位、、』

そう、思っていたのに

「ふはっ笑なんやそれ笑笑」

ぱっと後ろに振り向けば、端正な顔立ちをした男の子が私を見て、笑っていた

『あ、、え、と、その、、っ』

一気に体の体温が上がっていくのがわかる

「君も新入生？てことは同級生や！あ、でも俺特進とか進学やないから同じクラスやないかも、、って、え！？ちょっと待ってどこ行くん！？」

『ごっ、ごめんなさあああいっ！！』

久しぶりに家族以外に話しかけられたという衝撃と男の子が放つキラキラオーラに耐えきれなくなりパニックになった私は

男の子の言葉なんて耳に入るはずもなく

四方八方にぺこぺこ頭を下げながら学校へとダッシュしたのだった