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部屋に押し入ったウェンティはあまり長話をするつもりはないらしく、壁に背を預けて僕のことを見ていた。無駄話はよそう。早速 本題を話すように促せば、彼は少し前まで張りつけていた笑顔をスッと顔から消した。
「 君はさ、どういうつもりで彼女を傍に置いているんだい？ 」
「 ･･･質問の意味が分からないな 」
この屋敷に迷い込んだ彼女を引き取り居場所を与えた。そこにこれといった理由なんてないし、ウェンティにとやかく言われることではない。細められた瞳に何もかも見透かされそうで、僕は窓の外に視線を移した。
「 ふーん。ま、何か考えがあって彼女をここに置いているってことではないんだよね。それはボクにも分かるよ 」
「 仮に僕が何か目的を持ってAをここに置いているとしよう。それは一体 何だと言うんだ 」
一秒でも早くここから出ていってほしかった。僕だってその可能性を考えたことはあったけど、そんなはずはないし、信じたくはなかった。神であるウェンティがそれを肯定してしまえば、もう真実と認めざるを得ない。
「 ･･･利用価値は人それぞれだと思う。けど、君にはそんなつもりがないってことは、その顔を見れば分かるよ 」
ウェンティはそれだけ言うとドアノブに手をかけた。
早く、早く出ていけ。
「 いつまで目を背けているつもりなの？ 」
くるりと振り向いたウェンティの瞳は真っ直ぐに僕を射抜いた。ドッドッ。心臓が短い音を立てる。
「 本当は気づいてるんでしょ 」
「 ･･･何のことだか 」
僕の願いは届かず、ウェンティはゆっくりと口を開いた。仮定の話ではなく、きっぱりと、断言をして。
「 Aは、人間じゃない 」
ウェンティの両肩を掴んで部屋の外は押し出した。今は冷静になって話せる気がしない。「 すまない 」一声かけてから僕は扉を閉めた。暫く、一人になりたかった。
歳の割にはあまりにも無知だとは思った。元素の扱いもすぐに慣れていたし、どこか人間離れしている一面もあった。だが、だからなんだと言うんだ。彼女が何者だろうと、僕にとって大切な人であることに変わりはない。
変わりは、ないんだ。
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杏仁豆腐のスプーンになりたい - 続きすんごい気になる……更新頑張ってください…！ (4月29日 1時) (
レス) @page49 id: 6ae8607e98 (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐のスプーンになりたい - 流石に可愛すぎる (4月29日 0時) (レス) @page7 id: 6ae8607e98 (このIDを非表示/違反報告)
しゅた - 本当に面白いです！！きゅんきゅんして見てます！！！更新頑張ってください！ (2023年2月13日 12時) (レス) id: 7bb104c929 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 楓さん» うわあ！お返事遅くなりました！ありがとうございます！！その辺も書いてきますよ〜✍🏻 (2022年12月29日 19時) (レス) @page38 id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ダァッ！！！！続きが気になります、、、主ちゃん一体何者なんだ、、 (2022年12月11日 13時) (レス) @page45 id: 4c22f265eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2022年11月21日 3時
