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「 すごく良かった。彼女はモンドで一番のアイドルだ 」
バーバラの公演は本当に素晴らしいものだった。リサ曰く彼女の歌声には治癒の魔力が込められているらしく、聴く人の身体を癒してくれるらしい。だがこれは魔力だけではなく、バーバラの歌声だからこそ人々は癒されるんだと思う。
彼女は今、仮設舞台で公演後の握手会を行っている。私はそれを遠巻きに眺めていた。
「 凄かった〜！ ジンさん、仕事の疲れも取れたんじゃないですか？ 」
「 あぁ。そうかもしれないな 」
「 ふふ。素直に癒されたとでも言えばいいじゃない 」
アンバー、ジン、リサの三人が話しているすぐ近くで、私はガイアと話していた。私も彼が歌に興味があるとは思えないけれど、バーバラの歌声は届いたのだろうか。
「 ガイアはこういうの興味がないと思ってた 」
「 おいおい、お前までそんなことを言うのか。俺はこう見えてアイドルが大好きなんだぜ 」
「 もっと分かりにくい嘘をついた方がいい 」
「 ん？ バレたか？ 」
バーバラの握手会は長蛇の列を作っている。彼女と話す時間はなさそうなので、私はそろそろ屋敷に戻るとしよう。
アンバーたちに別れを告げてから帰ろうとすると、ガイアがモンド城の外まで見送ると言ってくれた。すぐそこだし別にいい、と私は断ったけれど、ガイアはまたこう言った。「 面白いものが見られる気がするからな 」と。
なんだか嫌な予感がする。
「 彼女を送ってくれてありがとう、ガイアさん。ここからは僕に任せてくれ 」
モンド城の外に出るとディルックが城壁に背を預けて腕を組んでいた。何となくそんな気はしていたけれど本当にいるだなんて。
「 ありがとう、ガイア 」そう声をかけてディルックに駆け寄ろうとしたけれど、ぐいっと手首を引っ張られてしまった。首の後ろから回された両手に引き寄せられて、ピタリと背中がガイアにくっつく。
「 が、ガイア。何をしているんだ 」
「 シッ。いいから動くなよ。面白いものが見られるぜ 」
面白いもの ── それは即ち彼にとっては珍しいディルックの動揺した姿だと私は思っている。こっちはまた彼を怒らせてしまうかもしれないという恐怖でいっぱいだというのに、ガイアは本当に楽しそうだ。
「 ガ イ ア 。 君 は 僕 を 怒 ら せ た い の か 」
ほら見ろ！ 面白くもなんともないじゃないか！
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杏仁豆腐のスプーンになりたい - 続きすんごい気になる……更新頑張ってください…！ (4月29日 1時) (
レス) @page49 id: 6ae8607e98 (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐のスプーンになりたい - 流石に可愛すぎる (4月29日 0時) (レス) @page7 id: 6ae8607e98 (このIDを非表示/違反報告)
しゅた - 本当に面白いです！！きゅんきゅんして見てます！！！更新頑張ってください！ (2023年2月13日 12時) (レス) id: 7bb104c929 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 楓さん» うわあ！お返事遅くなりました！ありがとうございます！！その辺も書いてきますよ〜✍🏻 (2022年12月29日 19時) (レス) @page38 id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ダァッ！！！！続きが気になります、、、主ちゃん一体何者なんだ、、 (2022年12月11日 13時) (レス) @page45 id: 4c22f265eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2022年11月21日 3時
