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ゴンッ、ゴンッ。片手剣をひたすらに振り回して洞窟内で鉱石を採掘する。やはり鉱石は両手剣でないと採掘に時間がかかる。「 ふう 」私は散らばった微かに光る鉱石を拾い上げて、大きく息を吐く。
結局、ディルックとはあれから一言も言葉を交わしていない。彼が多忙な人間ということもあるが、見かけても私から声をかけることはなかった。それは向こうも同じだと思う。
けれど酷いことをしたのはディルックだ。確かに私もガイアが相手とはいえ気を許しすぎていたけど、それにしてもあれはやりすぎだ。もしも私がドンナだったら喜んでいたが、あんな気持ちの籠っていないキスに胸を高鳴らせたりはしない。
「 はあ…… 」
なのに私は結局ディルックのために鉱石を採掘している。もちろん彼に贈る誕生日プレゼントに必要だからだ。あれだけ盛大に喧嘩をしたにも関わらず、やはり私にとってディルックは大切な友達に変わりはなかった。
悩んだ末に彼には髪留めを贈ることにした。いつも髪を結っているディルックなら使ってくれるだろうし、友達の間柄で贈るには控えめで丁度いい代物だと思った。
こんなデザインで、こういう髪留めを贈りたい。私がそう話すと、モンド城の鍛冶屋のワーグナーは必要な材料を教えてくれた。この間 武器も頼んでくれたから、と多少の割引きも効かせてくれるそうだ。さらには誕生日プレゼントだということを伝えたら、「 ならお前が作るか 」と提案してくれた。材料さえ集めてきたら作り方を教えてやると。
世界に一つしかないお宝を作るために、私はワーグナーに言われた材料を求めて駆け回っていた。鉱石の採掘は時間はかかりはするがそこまで苦ではない。問題は魔物と戦わなければ手に入らないアイテムだ。かなり経験を積んだとはいえ、一人では少し不安ではあった。
「 ……ごふっ 」
まあ、予想通りであった。素材を手に入れるために秘境に足を踏み入れた私は、文字通り魔物にボコボコにされて外へ放り出された。「 はあ 」片手剣を杖のようにして立ち上がり、ため息を吐く。
困ったな。ここの秘境でしか手に入らない素材なのに。実力のあるガイアやウェンティに協力を ── 。そこまで考えて私はペチンと両頬を叩いた。絶対に一人でやり遂げてみせる。ここでガイアたちの手を借りたらきっとまたディルックに小言を言われてしまうから。
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杏仁豆腐のスプーンになりたい - 続きすんごい気になる……更新頑張ってください…！ (4月29日 1時) (
レス) @page49 id: 6ae8607e98 (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐のスプーンになりたい - 流石に可愛すぎる (4月29日 0時) (レス) @page7 id: 6ae8607e98 (このIDを非表示/違反報告)
しゅた - 本当に面白いです！！きゅんきゅんして見てます！！！更新頑張ってください！ (2023年2月13日 12時) (レス) id: 7bb104c929 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 楓さん» うわあ！お返事遅くなりました！ありがとうございます！！その辺も書いてきますよ〜✍🏻 (2022年12月29日 19時) (レス) @page38 id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ダァッ！！！！続きが気になります、、、主ちゃん一体何者なんだ、、 (2022年12月11日 13時) (レス) @page45 id: 4c22f265eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2022年11月21日 3時
