こんな恋、いかがですか？ (ページ7)

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Aside

「…え」

目黒の声にハッとして、急いで手を引っこめる。
…何をしているんだ、私は。

『ご、ごめん！え…っと、私、帰るわ！！』

テンパりながらも、目黒に背を向け帰ろうとすると、

ｸﾞｨｯ

手を引かれ、後ろにあった目黒の胸にダイブ。
なに、これ。

『め、めぐ「黙って」…』

あれ、なんかおかしい。

さっきとはまた違う、いつもと変わった目黒の雰囲気。言われた通りにしばらく黙っていると、後ろから大きなため息が。
それにびっくりして、思わず肩を揺らした。

「…何、Aさんもしかして耳弱いの、？」

『ち、ちが』

ふふ、と後ろから笑う声にも反応してしまう。

可愛いな、と呟く声に、心臓の奥の方がキュ、と音を立てる。

「まぁいいや。今回はこれで勘弁してあげますよ。その代わり、コレ、行きましょうね？」

覚えてないハズの俺の名字、思わず呼んじゃった事についても聞きたいですし？そう言って、あのチケットをヒラヒラさせる目黒。

悪戯っぽく笑う彼の顔に、胸が掴まれたような感覚になる。この感情が、何かなんて、本当はもう分かっているけれど。

あと、少しだけ、気づかないフリをしていようか。

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