こんな恋、いかがですか？ (ページ4)

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PAGE２.「後輩クン」black ページ4

Aside

「Aさーん」

そう言ってこちらへ駆けてくるのは、目黒蓮。
今年で入社三年目になる、私の直属の後輩である。

『何、…後輩クン』

「目黒っす、Aさん。」

そろそろ覚えて下さい、と不満げな顔をする彼に、善処するよ、と返す。これは、お決まりのパターン。

実際、彼の名前を本当に覚えていないのかというと、皆さんお察しの通りそうではない。彼はこの会社では有名人だし、そもそも私は人の名前を覚えるのが得意な方だ。

それでも彼の名前を呼ばないのには理由があるのだが、それはまた後で。

とりあえず、要件を聞いてやる事にしよう。

『で、何。』

「あ、そうそう。Aさん、今度の休み、一緒にここ行きません？」

そう言って目黒が取りだしたのは、某有名テーマパークのペアチケット。営業先の女のコに貰ったんすよ、ラッキーでしょ？と笑うコイツ。おいおい、それ、その子がお前と一緒に行きたかったヤツじゃないのか。

『嫌だ』

「いいじゃないすか、行きましょうよ、Aさん」

嫌だわ。そんなわざわざ恨みを買いに行くようなマネしたくない。それに、私なんかが行ったらその子が不憫すぎる。あとさっきから思ってたけど、

『何名前で呼んでんの』

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