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Aside
向井さんを、避け続けてもう一週間。
なるべく、会わないように。最新の注意を払って生活してきた。
なのに、なんで。
なんで会っちゃうの。
1階へ降りるエレベーターで、たまたま遭遇してしまって。
階段を使おうかとも思ったけど、すぐにエレベーターが来てしまったから、そうもいかない。
躊躇したけど、流石に乗らないのもおかしいので、仕方なく乗る。
沈黙が続くエレベーター内。
先にそれを破ったのは、向井さんだった。
｢なぁ｣
｢なんで、避けるん｣
『べ、別に避けてなんかいません』
｢嘘や、避けとるやん｣
｢なぁ、なんで？｣
向井さんの、視線が。言葉が。痛い。
罪悪感が、今になって一気に押し寄せてくる。
黙っていたら、エレベーターが着いて。早歩きでその場を去ろうとしたけど、そうもいかなかった。
ﾊﾟｼｯ
向井さんに、腕を掴まれたから。
『向井さん、離してください』
｢嫌や｣
『離して』
｢嫌や｣
『離して！』
思わず振り向くと、泣きそうな顔の向井さんと目が合った。
なんで、そんな顔するの、、、。
｢なぁ｣
｢お願いやから、避けんといて…｣
私を見つめる向井さんは。
捨てられた仔犬みたいな、顔をする。
そんな顔されたら、、
『分かった！分かりましたから、、そんな顔、しないで下さい』
｢ちゃんと、これからも会うてくれる？｣
まだ不安気な顔の彼。
はい、って私が返事したら、安心したような表情に変わっていって。
｢ほんま！良かったぁ｣
向井さんが、そう言って笑った瞬間。
胸が、キュンって。
ほんと、漫画みたいに。
顔に熱が少しづつ集まっていくのが分かる。
ずっと、誤魔化し続けてきたけど。
もう、ダメかも。
ドキドキする胸を感じながら、思った。
もう流石に、認めてあげるしかないよね。
向井さんが、好きだって。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
康二くんのお話、終わりました！
いっやー、短くすんのほんと大変でした。
長編として書き直す時には、ちゃんとゆっくりやりたいなぁ、、、。
次はちゃん阿部！
楽しく読んでいただければいいな、と思います。
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作者名：coral | 作成日時：2020年3月1日 21時
