鉄壁の二遊間。~You&I~ (ページ44)

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41.ずっと待ってる② ページ44

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「……だったんですけど、」

全て説明するのに少し時間がかかった。

こんなことで勇人さんを頼るのはダメだと思うけど
私だけじゃどうにもできない。

勇「ふぅん。なるほどね。」

「私ほんとに馬鹿ですよね。
　まだ出会って数週間だってのに、ぐいぐい聞い
　ちゃって。普通は嫌ですよね。」

勇「でもそれが友達ってもんやろ？出会ってから
　の時間とか関係ないやん。」

「でも紗友は怒ってた？ってゆーか泣いてました
　し…。」

勇「じゃあ、こんなクヨクヨしたAちゃんに
　頼れる助っ人を紹介しましょう。」

　
はい？こんな状況で何言ってるの？

そしたら、
通路に隠れてヒョコッて顔を出した…

「やま…だてつとさん？」

山「はい、どーも(笑)」

正真正銘、トリプルスリー・山田哲人さん！

あ、そっか、紗友のお兄さんか。

勇「哲人、今の聞いてた？」

山「はい。本当すんません！迷惑かけちゃって」

「…いや、私が悪いんで。」

”そんなことないで”って言いながら
真剣な目つきになる哲人さん。

山「紗友のこと知りたいんすか？」

勇「まぁ、そんなところ。」

「…あ、でも勝手に言って紗友嫌がりませんか？」

山「大丈夫と思うで。紗友よっぽどAちゃんの
　こと信頼してるから(笑)」

「え？今の聞いてましたか？」

山「うん(笑)紗友がさ、水野Aって言う
　新しい友達ができた！ってうるさくてさ」

「そ、そうだったんですか…」

それよりはよゆって、って勇人さんが急かすから
また真剣な目つきになった。

山「あんな、紗友な。学生の時、いじめられて
　てん。ほんっまにええ子でさぁ。優等生ぶっ
　てるとか言われて気に食わんやつがおったら
　しい。」

そうだったんだ…。

山「結構いじめがきつかったらしいけど、そん時
　は誰にも相談せず、ひとりで溜めてて…。
　だから精神的にストレスが溜まってしまって
　引きこもりになってん。それで高校は夜間
　のやつに行ってた。大学も適当にいって、で
　もいざ就活ってなったらコミュ障の紗友は上
　手くいかんかったみたいで。」

『続』

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