鉄壁の二遊間。~You&I~

11.水野という女。勇人side ページ12

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アイツが来る1ヶ月前。







監「えっと、ドラフトで耳に入ったかもしれないけ
　 ど、今二軍キャンプで調整中の選手が春から1軍
　 に入る予定だ。女の子だから(笑)」









はぁ？女子？

この頃、俺は女子選手なんて戦力にならんと思ってた。
他球団でも活躍してる女子選手なんて数人程度。
どうせこの女も無理やな。って思ってた。






けど…







A「○◇△大学から来ました！22歳の水野A
　 です！！」







ほんとに若いやつ女の子。
見た目は可愛らしいけど、今時のそのへんの女って感じやわ。


けど皆はなんか気に入って話しかけてる。
俺はこんな奴と話さんからな。


でもこいつは飽きずに話しかけてきて






A「は、勇人さん！」






名前呼び…なんか不覚にもドキってした。






A「…私のこと嫌いですか？」







それに対して、まだこいつのこともよく知らんし、好きも嫌いもない。

そう言ってやった。



この時のAの顔は、何ともいえない表情をしていた。






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練習初参加のとき。

声が出てないと嫌味をいってやったら、それを鵜呑みして誰よりも声を出してた。



そして何よりびっくりしたのは守備力。

30球連続で、しかも厳しいコースで、初ノックで、
大変なことは承知していたがやらせてみた。


さいごはエラーしたけど29球連続成功。

なんて守備力や。って吃驚した。






…正直この頃には実力を認めてた。

でもちょっと意地張ってもーて。
開幕スタメン、なんて程遠いことをゆった。


でもあいつはそれを、ホンマに叶えた。




広島戦では本塁打1本、安打7本という見事な成績。

野球選手として純粋に興味が湧いた。









あいつは俺のこと、尊敬する先輩って言ってたけど

俺はあいつのこと、尊敬する後輩やと思ってる。









まぁ口が裂けてもゆわんけどな(笑)









A「もー勇人さん！」

「ん〜？」

A「それ返してください！！」

「これ取れたらなぁ♪」

A「わたし何センチか知ってるんですか？
　 てかその前にあなたが何センチかわかって
　 ます？？」

「ちびブタ野郎。」

A「うるさいです。無駄にでかいやつ。」









ほんま初めと大違いやわ。


これからも一段と成長してくれますように。









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