いつぶり ページ7
翌朝、今度は陽お兄さんに電話をかけた。
「っ…もしもし？」
『おはよう。どうした？』
「あ、あの……。」
携帯を少し離して、ひとつ深呼吸する。
話そうとして口を開いたときに、優しい声で嬢ちゃん。と呼ばれた。
『実は赤井から聞いてるんだよね』
「…そ、そうなんですか？」
クスッと笑ったのが聞こえた。
握りしめてたタオルが床に落ちたのを慌てて拾ったけれど、膝の上に置いて左耳に当てた携帯に意識を集中させた。
『ご両親について行ってアメリカ行くんだって聞いたよ。パスポートはFBIが用意してくれるみたいだしね』
本当に全部説明してくれたみたいで、なんだかぽかーんとしてしまう。
赤井さんって、勝手なイメージだけれど報連相しなそうだと思ってた。まさか根回ししてくれてたなんて。
昨夜の今朝だから絶対伝わってないものだと……。
『でも一つだけ条件がある』
「…のみます」
『まだ何も言ってないよ』
久々に電話したヒロさんのしゃべり方は、随分と幼くなった気がする。警察学校編の頃の可愛らしい喋り方を彷彿とさせる。
「…私は、監視される側の怪しい人間なので。そんな相手に武器を与えるのは、本来皆さんは嫌なはずですから」
右手を握りしめる。タオルに爪が食い込む。
『大丈夫。オレも赤井も、Aちゃんの事信用してるから。君はあの組織でやっていくにはあまりにも綺麗すぎる』
少し自虐的に聞こえる声。私はじっとり脂汗をかきだした額を手の甲で雑に拭った。しっかりと深く息を吸った。
「
強くハキハキと声を出せた。
だって、本当に景光さんは綺麗で素晴らしい人だから。この世界で生きるべき人だから。
暫く間が空く。段々と不安になってきて、タオルごと左の二の腕を掴んだタイミングで、電話越しに息遣いが聞こえた。
『…いったい、どこまで知ってるだ？』
笑って言う景光さんに、息をついた。右手を膝の上に戻して、私は答えに悩んだ。
『いいよ。言えないのは分かってるから』
安心する声。
いつか以来だっけ。赤の他人なのに、もう声を聞いても震えてないのは。
小さくしていた電話の音量を、聞きやすい音量まで上げた。
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季 - 超超超面白いかった (7月30日 10時) (
レス) @page19 id: 20f0d382e7 (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 更新頑張ってくださーい！！応援しています！！ (2022年8月31日 4時) (レス) @page19 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - この小説とても好きです。NlLさんこれからも頑張ってくださいm(_ _)m次の更新楽しみに待っています! (2022年5月30日 21時) (レス) id: 158cb424c8 (このIDを非表示/違反報告)
NIL(プロフ) - 侑さん» ありがとうございます(´；ω；｀)そして遅くなりました！是非これかも宜しければ読んでください(´；ω；｀) (2022年5月28日 10時) (レス) id: 62c4f4c405 (このIDを非表示/違反報告)
侑(プロフ) - 書きます書きます！！喜んでもらえるとあらば！！Twitterの方でも反応させていただきます！！ (2022年3月27日 22時) (レス) @page13 id: 8afc6fd8a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NIL | 作成日時：2020年6月28日 22時
