心配性 ページ37
靴のつま先をコンコンと床について、踵をスニーカーの中に押し込む。スタスタというスリッパの音が、私の後ろで止まった。
「今日もどっか行くのか」
「うん。遅くても2時間くらいで帰ってくるから」
両方の踵が入ったのを確認して、後ろを振り返る。腕組みをした新一が、壁にもたれかかって私を見ていた。
とても不満そうに。
「どこに行くんだ」
「心配いらないよお兄ちゃん。いつもちゃーんと帰ってきてるでしょ？」
壁から背中を離した新一は、私の顔をガシリと両手で掴んだ。
「心配に決まってんだろ。子供がんなひでー隈作って毎日外に出てたらな。しかも恐怖症のくせに、行先も誰に会いに行ってるのかもはぐらかして」
涙袋の所をゴシゴシと擦られる。
そりゃそうだ。松田さんの事件の日から、私はまともに眠れてない。
「大丈夫。全く寝れない訳じゃないから。毎日変な夢見てるだけ」
そっと新一の両手を下におろす。これが慢性的な寝不足になると生活に支障をきたす事を、彼は確実に知ってる。
私は疲れの取れてない顔で微笑みを向けた。
「じゃあ行ってきます」
「……無理、すんなよ」
きっと不格好な微笑みだったと思う。俯きげに私を送り出した新一に少し申し訳なくなりながら、深くフードを被って警察病気への道を進んだ。
寝不足気味なこの体に、晴空の日差しは少し強く感じるけど、それもフードが遮ってくれた。
ふらつく事のないように、しっかりと地面を踏みしめて歩く。
フードを被る私を、もう慣れた様にいつものように挨拶して出迎えてくれるナースさん達。
こんにちは。と挨拶すると、今日はいい天気だね。とちょっとだけ会話してくれる。
松田さんの病室へ向かう途中ですれ違ったナースさん達も、声を掛けてくれたり、たまに飴玉やチョコレートをくれる人もいた。
もちろん中には男の看護師も居たけれど、これだけ通えば、私が男性恐怖症なのも広まっていた。
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NIL(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» ありがとうございます！夢主ちゃんめちゃくちゃ頑張ってもらってます(苦笑) 次が出せたらまた応援しに来てください(´；ω；｀) (2020年6月28日 21時) (
レス) id: 6ea316f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
NIL(プロフ) - 黒瀬さん» ありがとうございます！あまり進んでなくて本当に申し訳ないですが、もう少ししたら出せそうなので、待っててください(´；ω；｀) (2020年6月28日 21時) (レス) id: 6ea316f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - すごい面白いです！！！夢主ちゃんが頑張っててめっちゃ応援したくなります...！ 更新頑張ってください！ (2020年6月22日 18時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬 - この作品を見つけて最初から読んだのですが、とても続きが気になって更新されるのが楽しみになりました！更新頑張ってください！まってます！ (2020年5月25日 16時) (レス) id: 1f6a6008e3 (このIDを非表示/違反報告)
NIL(プロフ) - スピカさん» ありがとうございます！亀更新なのでめちゃくちゃ時間かかってますが、気長に待っていただけると幸いです(^_^； (2020年5月19日 19時) (レス) id: 6ea316f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NIL | 作成日時：2020年2月23日 18時
