休日 3 ページ19
廉「ねえAちゃん、このくらいで良い?」
A「うん!その位で大丈夫だよ」
圭輔「A〜味噌汁の具材って何入れる?」
A「えっと、お味噌汁はー」
あれから4人は夕食作りを手伝ってくれている。正直1人で大人数の夕食を作るのは不安しかなかったので心強い。廉君と祐介君がハンバーグを、圭輔君と翔太君がお味噌汁を手伝ってくれている。4人とも仕事から帰ってきて休む間もなく夕食作りを手伝ってくれているので、罪悪感が残る一方誰かとこうしてワイワイしながら夕食作るのが、楽しくて仕方がない。お母さんとも先日まで一緒に作っていたのに、2人が亡くなってもう1年以上昔のように感じる。
翔太「A大丈夫?」
A「え?」
声に振り向くと翔太君の顔が直ぐ横にあって、手が伸びてた。その手は無意識に流れていた涙を優しく拭き取ってくれた。自分が泣いていたことに漸く気が付いて、とっさに周りを見ると翔太君以外は料理に集中していて全くこちらに気付いていなかった。クスクスと笑う翔太君に目を向けると面白そうに、でもその目は優しい目をしていた。
笑っていた翔太君は笑うのを止めて、皆に聞こえない音量で私にだけ聞こえるようにこう言った。
翔太「泣きたいときは泣いたら良い。俺も皆もAを1人になんて絶対にしないから頼れよ。俺達のお姫様」
A「…うん!ありがとう!」
圭輔「2人ともサボって何してんねん!」
祐介「Aハンバーグにチーズ入れていいか?」
廉「あ、でもチーズが足りない」
A「あ、それなら大丈夫!サボってた翔太君が走って買ってきてくれるって言ってる」
翔太「んん??Aさん????」
A「圭輔君、翔太君借りても問題ない?」
圭輔「おう!大丈夫やで」
祐介「ありがとう翔太」
廉「翔太君ありがとう!」
翔太「裏切者〜!!」
嫌な顔をしていた翔太君も、チーズインハンバーグを食べたい欲求と、仲間たちのお願いに根負けし、しぶしぶ近くのスーパーに出かけて行った。家を出る途中に、組み立てが終わったのか下りてきたメンツにまでお使いを頼まれていた。あれが所謂走り(パシリ)って言うのかな?扉の向こうだったから誰か分からないけど、1人道ずれにされているような声という名の悲鳴が聞こえた。
扉の向こうから現れたメンツの中に真一さんが居なかったから、多分真一さんが道ずれにされたのは明白だった。
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←休日 2
66人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Y M | 作成日時:2020年12月16日 18時