審問 ページ23
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風の匂いを嗅いで、今日の夕飯はからあげだったんだと知った。
『、夜風が気持ちいいな』
自室のベランダでそう呟いた。
医療室を出てきた時から、
何とも言えない満足感が身体にはあった。
『………、』
自分を保つために、みんなを守るために、ここまで来たのになぁ。
その時、
コンコン、と扉のノックの音が聞こえた。
『いいぞ』
扉から現れたのは…
白衣を着た近海だった。
……良くない雰囲気の音がする。
近海は何も言わずに僕の隣に来て、ベランダの手すりに肘を置いた。
『………。』
近「………。」
何も言わない時間だけが過ぎ、夜は少しずつ深まり出していた。
……あまり心地のいい雰囲気ではないのは確かだ。
『……、近海、お茶でも』
近「Aが出ていった後、」
僕の声を遮るように近海は口を開いた。
普段は食い下がるのに、今回は下がってくれない。
…引く気は無い、全てこちらから聞き出す思いだな。
近「限界の身体、及び精神が安定した。簡単に言うとボロボロだった体は治った。可笑しいと思わない？手の施しようが無いほどだったのに」
『……、そうだな』
曖昧な返事をすると、近海は此方に体をまっすぐと向けた。
近「……君がやったんだろ？能力の回収をさ」
まるで親の仇を討つ時の目だな。
研ぎ澄まされたその感覚は、僕の嘘一つとして零さない気だ。
『……ふっ、、ふふ…あっはははははは！！あは、あはははは！！！！あ"〜……。すまない、何だか面白くてね…』
腹の底をくすぐるように撫でる笑いを無理矢理に抑え込み、僕は口を開いた。
『そうさ、僕がやった』
近「っ、じゃあ」
『でも、』
今度は僕が近海の言葉を遮った。
『能力の回収はしてない』
近海は驚いたように目を丸くした。
予想外の返事で戸惑っているのだろう。
しかし暫くして…
近「…それは、いつもの屁理屈？」
困ったような顔を浮かべた。
『ふふっ、そうだな。僕がしたのは、言ってしまえば能力の治療だ。回収はしてない』
近「能力の治療…？」
頭の上に？を浮かべている様子が安易に想像できた。
しかしここで話すのは少し冷える。
近海を部屋の中に招き、そこで話すことにしよう。
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ほたる(プロフ) - りゅーあさん» コメントありがとうございます！とても励みになります！更新はゆっくりですが、最後まで見て頂けると嬉しいです！ (2019年11月2日 12時) (
レス) id: 5cf69170d2 (このIDを非表示/違反報告)
りゅーあ - 面白いですね。続きをいつも楽しみにしています！周りでは、活動休止をしている人がいるので、更新して頂けるだけでも嬉しいですね！ (2019年11月2日 7時) (レス) id: 30e35b4147 (このIDを非表示/違反報告)
ほたる(プロフ) - Resultさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて、とても嬉しいです！ (2019年10月31日 21時) (レス) id: 5cf69170d2 (このIDを非表示/違反報告)
Result - Totemo omosiroi yo tanosimidanaa (2019年10月31日 19時) (レス) id: 30e35b4147 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほたる | 作成日時：2019年9月15日 19時
