ぐらりんりんり【短編集】 (ページ10)

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蝉の話ページ10

蝉の話

僕は恋人を探して鳴き続ける蝉である

ミンミンミーンと五月蝿く鳴く蝉である

そこらへんにいるただの蝉である

一生に一度の、運命の君を探して

なんとしてでもこの７日間の間に探さなければならない

７日たったら僕は死んでしまうからね

運命の君を探して僕は鳴き続ける

何処にいる？運命の君よ

何故来てくれない？運命の君よ

あぁ、あと1日で僕は死んでしまう

早く、君を見つけなきゃ…

ミンミンミーン、ミンミンミーン

何処にいる？運命の君

もう、昼だ。まずい

ミンミンミーン、ミンミン……

ま、ずい…もう意識が無くなってきた

っう……地面に落ちたのか………君、運命の君。迎えにいってやれなくてごめん。
ごめんね。もう、僕は無理そうだよ

ザッ………………

あ、君が来てくれたの？会いに、来てくれたの？

最後の力を振り絞る。羽をばたつかせ君に近づく

そうすると、大きなキミは大きな声を上げて逃げてしまった。

待ってよ。どうして？何処にいくの？
運命のキミよ。置いていかないでよ

ミンミンミーン！！ミンミンミーン！！

僕はここにいるよ。戻ってきておくれ。
君よ。運命のキミよ。

たったの７日間で運命のきミを探せなんて神様は酷いね。

あぁ、さよなら。運命の君。
願うことなら、君t(ｸﾞﾁｬｯ

「うわぁぁぁぁぁ、さいっあく！！蝉踏んじゃったぁぁぁぁぁ」
「あははwどんまーいw」
「もー、早く帰って洗お！」
「にしても、蝉も大変だねぇwもしまだ生きてたらと考えたらねw」
「たかが虫でしょ！そこにいたのが悪いのよ！！ほら、早く帰ろ！」
「はいはいw」

願うことなら、き………み……………、と、…