ぐらりんりんり【短編集】 (ページ8)

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渇きページ8

どうしようもなく喉が渇くときがある

いくら水を飲んでも渇きが潤されることはなかった

今まで一度もない

誰にでもそのようなことがあるだろう

私には何度もある

少し、私の思出話をしようか

私が中学1年生の頃、私は小学4年生からバドミントンを習っていたこともあって次期部長として期待されていた

なのに、私は怪我をしてしまった

どうしようもなく馬鹿なやつだよ私は

自分の不注意でこうなっちまったんだからね

期待されて、希望を持って、持って持って持ち続けて

そして、奈落の底へ落とされた

今だに喉の渇きが潤されない
あぁ、喉が酷く渇く

一時期、鬱になりかけたこともあった
でも、
出来ないことを悲しんでいるより
出来ることを喜んだ方が幸せじゃないか

じゃあ、今、私ができることは？

誰よりも声を張り上げて応援すること
誰よりもみんなの様子を見ること
誰よりもみんなを心配すること
誰よりも何よりも

どうしようもなく喉が渇くときがある

奈落の底に突き落とされる感覚がある

1つだけ嘘をついたことがある

2つほど真実を伝えたことがある

3つほど死んだことがある

4つほど生きたことがある

どうしようもなく喉が熱いときがある

どうしようもなく心拍数が上がるときがある

どうしようもなく生きなければいけないときがある

どうしようもなく死にたくなるときがある

本当にどうしようもない世の中で

どうしようもないほど興奮する瞬間がある

安心して子を産めない世の中である

安心して考え事を出来ない世の中である

それでも、地面を這いつくばってでも

泥水を飲み込んででも、

砂を口に入れてでも、

どうしようもなく喉が渇くときがあっても、

生きなければいけない世の中である