ぐらりんりんり【短編集】 (ページ6)

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悪口メガホンページ6

手に持っていた"それ"は、いつ手にいれたか分からないものだったが、悪いものだということだけは知っていた。

『おかあさん、これ、おかあさんの？』

母「なにをいってるの？これってなに？まだ、寝ぼけているのかしら？w」

『……おとうさんはしらない？』

父「寝ぼけやすいのはおとうさんそっくりだなーw」

この手にしっかりと握っているのに、気づかない。

気づいたこと
・ほかのひとには見えない

『……ちえちゃん、これ、しらない？』

ちえ「？そらちゃん、どうしたの？」

『……ゆきちゃん』

ゆき「ゆきはしらないよ？」

わかったこと
・友達にも見えない

それから、数年。

『(あー、あの先生の教え方嫌いだな。分かりにくいし………)』

カチリッ

『……え？』

もっていた、メガホンのスイッチが勝手に押されていた。

『先生、もう少し分かりやすく説明できないんですか？』

教室「！？……ザワザワ……」

あれ、おかしいな？このメガホンは一体…

先「……後で生徒指導室にこい」

あれ？オカシイナ？

先「～～～？～～～！～～！？？」

カチリッ
また、勝手にスイッチが押された。

『あー、本当のことをいっただけで、なにが悪いんです？』

教室「ーねぇ、あのこさー、なんか雰囲気悪くない？
ーだよねーw
ーハブこっか？w」

『…………』

カチリッ

『へー、こんなことして楽しいんだーw私の方が馬鹿なんだーwww毎回テスト９０点以上の私のが？w
お前らの方が馬鹿でクズで醜いだろ。死ね？誰に向かって言ってるのかなー？wあ、机に書いてるから、机に死ねって言ってるのかな？www』

教室「………ﾋｿﾋｿ………」

わかったこと
・嫌なことがあったら、メガホンのスイッチが勝手に押されて、悪口が口から勝手にでる

『………ち、ちえ……』

ちえ「……あんた、だれ？………気持ち悪っ……行こう？ゆき」

ゆき「うん」

『！？ゆ、き？ち……え？』

嘘だ
カチリッ
ーーやめてよ

『へー、やっぱり裏切るんだー。そういう人間って将来どうなるか知ってるー？w仕事でもうまくいかないらしいよー？wwwざまぁみろ』

嗚呼……またやってしまった

わかったこと

・命名、悪口メガホン