ぐらりんりんり【短編集】 (ページ1)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:1,093 hit

夏と水泳部員と奇跡とページ1

ぴちゃ……バシャ！！
しゅわしゅわと蝉のなる音が辺りに響いている。

炎天下の中独りの少女がプールで泳いでいた。

『…………ふーー……やっぱり、水の中は落ち着くなー』
そんな、暑苦しい放課後

ざわざわと騒ぐうるさい教室。

「……ねぇ、水泳部って今、独りしかいないんでしょ？」
「そうそう！廃部寸前なんだっけ？」

『………廃部………ねぇ』

買ったミネラルウォーターを窓越しに太陽にかざせば、キラキラと輝きダイヤモンドのようだった。

バシャ！！バシャ！！

『……………』
ﾌﾞｸﾌﾞｸﾌﾞｸ…

水の中に潜って目を開く。ゴーグルはしていない。まわりがぼやけて見えるが、逆にそれがよい。

『(水の中はこんなに綺麗なのに……)』
人間と言うのは一言で表すと"めんどくさい"
人間関係やら、いろいろなことで汚れてしまっている。

『…………ぷはぁ………』
辺りは少し暗くなってしまっていた。

『………あれ？こんなとこに神社なんてあったっけ？』

見覚えのない神社があった。小さいものだったので今まで気づいていなかったのだろうか？

『…………』
手を合わせて、お祈りをする。
ボフン！！
「やっほー！♪君が僕を呼んだのかな？」
これは、私の少し不思議な中学最後の夏の話…