ダレカノ。_Junta.N

ギャップ（仮） ページ5

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「あ」




帰り際、キャメル色のコートを羽織ってポケットをぽんぽんと上から叩いていく中間淳太さん



重岡さんはとろんとろんだからわたしが反応せざるを得ない



どうしたんですか？と聞くと、携帯が無いと言う




しっかりしてるイメージだったから、携帯を無くすことなんてないと思っていた

重岡さんが前にメンバーさんのことを教えてくれた時にはフジイさんがよく物をなくすんだって









「あかん、どうしよ、…嘘やん、マジか」






きょろきょろと目を動かしながらカバンやら重岡さんのポケットの中を漁る



慌ててる…かわいらしいな、ギャップだ。





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「すいません、携帯貸してもらえますか」






「へ」






「掛けさせてください、着信音鳴らすんで」







頭いいな、この人








ポケットから携帯を取って渡すと、慣れない手つきでタップしていく


それから耳に当てるから、なんだか恥ずかしくなって、突っ伏している重岡さんの髪の毛を一束つまんで引っ張ってみる









重岡さんが『いてぇ』と呻くのと同時にどこからか鳴り出した着信音









「あ」









「どこからですか？」









さっきとは打って変わって余裕のある表情を浮かべて、まるで最初からわかってたかのように自らのズボンのポケットから携帯を取り出して、突っ伏した重岡さんを起こして………






……って、あれ？









「…ありましたね、ポケットの中…」









天然なのかな？と思いながら声を掛けると、ふふっと笑って携帯を返される









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「それ、俺の番号です。じゃ」









思わず、息を止めた




閉まるドアと、それに伴い鳴ったベルと、画面には『じゅんた』と、見知らぬ番号。

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