正反対 ページ37
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どうして彼の目はこんなにも、ゆるっと熱くて、溶けてしまいそうなものなんだろう。
それでいて今は、そのまま消えてしまいそうに儚くて
わたしがこれ以上冷たく、酷くあしらえば、いっそ嫌ってくれるだろうか。
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「…迷惑です。からかってるんですよね」
何かを言おうと口が少し開く彼
「自分勝手だしめげないし、冷たくしたって意味無いし、…嫌いです。今日は帰ってください」
もう、会いにこないで。
電話だってしてこないで。
…好きになんか、させないで。
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む、と紡がれる彼の口
形のいい眉は、下がり気味で
「…ほんまにごめん」
1つも真実を言っちゃいないわたしなんかの言葉を間に受ける彼は、怖いくらい素直なんだ。
からかうなんてしない人なのはわかってる。それでも彼はアイドル。そして彼をアイドルとしか見れていないわたし。…アイドルとしか見ようとしないよう、傷つくのが怖くて努めて。
消え入りそうな声で『ごめん』と言って、代金を置きニットガウンを肘に掛ける。
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「…好きです、俺は」
彼が帰り際にぽつりと零した一言に、ドアが閉じられて、そこで初めて、やっと涙が出たのだ。
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ちい(プロフ) - 良かったです! (2016年1月13日 2時) (レス) id: 5ce7b0e07e (このIDを非表示/違反報告)
く ら ぺ コ .。!(プロフ) - コメント失礼します!完結おめでとうございます!この話読んでてすごくキュンキュンしたし読みやすかったです!よかったら続編見たいです!これからも応援してます! (2016年1月12日 13時) (レス) id: 7733a6bf70 (このIDを非表示/違反報告)
ちい - 完結おめでとうございます!!!毎回更新される度にドキドキしてました!今までコメントというものをしたことがなく、これが初コメントとなります(笑)どうしても続編が見たいのでご検討ください!! (2016年1月11日 23時) (レス) id: f29aab9aa9 (このIDを非表示/違反報告)
にぃに(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも楽しく見させていただいていました。良ければ続編を希望したいです!! (2016年1月11日 20時) (レス) id: 4f5e67d90f (このIDを非表示/違反報告)
あさひ(プロフ) - 面白かったです (2016年1月11日 20時) (レス) id: 7a63527485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つくも | 作成日時:2015年12月29日 20時