ダレカノ。_Junta.N

茨の道。 ページ23

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しばらく会ってへんあの子。

会ったら会ったで目ぇ合わせてくれへんときもあるけど、それがまた初々しくてかわいらしいとも思う。


…まぁ、電話には出てくれたってええと思うねんけどなぁ？


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あんまりしつこく掛けるのもあかんし、だからって声を聞かずにはいられへんくて。






前に掛けたのは４日前。少し日を開けて、掛け直すことにした。


出てくれないことを視野に、ダメ元で。




１コール、２コール…と時間が経つにつれ、やっぱりな、と思い始めるのだけれど、今日は違うみたいで、『はい』と消え入りそうな声が聞こえて、思わず背筋が伸びる




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「…お久しぶりです、中間淳太です」





ああ、と聞こえてそれっきり

夜遅いし寝てたんかな







「ごめん、寝てた？」






『や、や、起きてました、今日お休みでお昼まで寝ちゃってて』




胸に心地よく落ちてくる声

慌ててるのか、少し噛んだのもかわいくて、かわいくて。









「聞きたいことあんねんけど、今いい？」






なんですか？と、嫌がっていないのはわかる。




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「アイツが、シゲが、笹原さんはフリーや言うてたんですけども」






俺が聞けば、しーんと静まる向こう。


聞いたらあかんことは聞いてへん、と思う。







「…もしもし？」






『あ、…重岡さんには、言ってないです、誰にも。』






ほんなら、俺だけが知ってんの？


やけど、秘密の内容が内容なだけあって、素直に喜べへん。


彼氏おるって、なんで俺だけに言ったんやろ。









『あの、だから、重岡さんにあんまりそのことは言わないでくださいね』








…ガードの意味やったりするんかな

好きにならんで、ってこと？






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しばらく話して、切った後、ちくりちくりと内面的な痛みを伴う胸。

来ない→←辻褄。

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