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『あ、あの…っ』
声をかける間もなく場所は変わるとキッドはそっと私を降ろした。
キッド「…よっ……と…ここなら大丈夫だな」
『えっと〜…』
そこは誰もいない船上だった。
キッドに問いかけるも彼は無言で私の方を見つめてくる。
あまりにも黙り込む私についに彼は口を開いて__
キッド「…Aなんだよな…?」
そう言って私の名前を告げていた。
その顔は先ほどのキッドのような雰囲気ではないことが感じられる。
『う、うん。そうだよ』
どうして私の名前を知っているんだろう。
ゆっくりと頷くと彼は私の体をぎゅっと抱き締めた。
キッド「…やっと見つけた…」
『へっ…』
強く抱きしめる反面、キッドの声はとても弱々しかった。
どういうことなのか、私には分からず立ち尽くしてしまい、どのように反応をすればいいのか分からない。
『キッド…?』
快斗「キッドじゃない… 俺は黒羽快斗だ」
彼は瞬く間にキッドの衣装からとスーツの姿へと変わる。
快斗「ずっと…探してたんだ…ぞ…」
お前…急にいなくなっちまうなんて…
『…!…ごめんね…』
幼い頃Aは引っ越しをきっかけに快斗と離れてしまったこと。
それは…彼女の日記に綴られていた内容と一致した。
もしかすると2人で撮った写真は私たちだったのではないかと考えた。
今までずっと待ち続け、探し続けてくれたことが申し訳なくもあり、嬉しかった。
快斗「覚えているか?俺が日記を渡して、お前になんでもいいから今日の出来事を書いてみろって言ったことを」
『日記……メモ帳…』
昔からAは忘れることが多いから、今日の出来事だけでも覚えていられるようにって、そう言って日記を渡してくれたんだよね…。
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くらげ(プロフ) - 星さん» 星さん、ありがとうございます🥲︎♡楽しんでいただけて嬉しいです☺️これからも引き続きよろしくお願いします (1月5日 17時) (レス) id: a9ba311e8f (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説めちゃくちゃ面白くて大好きです!続きがとても気になります!更新楽しみにしています! (1月4日 5時) (レス) id: 5b6bab53ae (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - ばなな。 さん» ありがとうございます🥲楽しんでいただけて嬉しいです。のんびり更新させて頂きます (1月3日 17時) (レス) id: a9ba311e8f (このIDを非表示/違反報告)
ばなな。 - とっても面白かったです!続き楽しみにしてます!☺️ (2023年4月8日 0時) (レス) @page34 id: d6be0d4c84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くらげ | 作成日時:2023年3月22日 8時