鬼のお姫様【鬼滅の刃】 (ページ30)

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Aside

堕「A放っておきなさいよ？不細工なんかに構わなくていいわ。」

私の言動が気に食わないのか口を尖らせている。
明らかに不満そうな表情だ。

堕姫ちゃんなら大丈夫だと信じて

「え、そう……？じゃあ、堕姫達に全てまかせるわ……」

「じゃあね、竈門炭治郎くん」

炭「あっ、待てっ……!!」

引き留めようとする彼の顔を見るのが嫌だった。

私は人目を避けるように誰もいなさそうな場所に向かった。

まだ夜は明けず辺りは静かで居心地が良かった。

「ここなら……大丈夫……。」

辺りを見渡して誰も見ていないことを私は確認する。

息なんて切れるはずがないはずなのに。
どこか心臓が早くなっている気がする。

息を整えながら私は町を見下ろしていた。

1人になるとどうも考えてしまう。

嘘をついて偽る自分は苦手だった。

強気な口調も、この街に働いていたから演じているだけ。

いつの間にか染み込んじゃったみたいだけど。

そう…………

私は強くなんてない。

炭治郎という少年を見た瞬間、過去の記憶が蘇りそうな感覚を感じた。

どこまでも真っ直ぐで正義感に溢れている人物だった。

過去にそんな人がいたような気がするんだけれど、はっきりとまでは分からない。

・・・