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宇隨は善逸と雛鶴が行方不明になった京極屋へ向かう。
お三津の旦那であろう人物か、彼女の着物を手に取り考え事をしているようだ。
その瞬間宇隨は、素早い動きで旦那の首元に苦無を当てる。
宇「善子と雛鶴はどうした、簡潔に答えろ。問返すことは許さない」
楼「善子は消えた…雛鶴は病気になって切見世へ……」
楼主の顔からは冷や汗が止まらず心拍数が上がっているのが伝わってくる。
構わず、宇隨は構わず話を続ける。
宇「心当たりのあることを全て話せ、怪しいのは誰だ」
信用して言え、そいつは必ず殺し仇を討ってやる。
お三津の顔を思い出すと涙が溢れていた。
くぐもった声と共に怒りが湧いてくる。
楼「蕨姫という花魁だ……日の当たらない北側の部屋にいる……!」
宇「………」
楼「……(お三津……)」
ふと顔を見上げた時には既に宇隨の姿は消えていた。
彼は蕨姫、堕姫のいる部屋を確認するが見当たらないため、鬼の気配を探りながら雛鶴の元へ向かった。
***
炭「…ほとんど陽が落ちてきている、
早く伊之助の所へ……」
ときと屋の潜入の調べも終え伊之助のいる場所へ向かおうとしていた。
炭治郎は途端に足を止めてしゃがみ込む。
鼻が利く彼は僅かな匂いを感じ取り鬼の気配を察する。
炭「(近くにいる……!甘い匂いと、後はなんだろう……感じにくいが居ることは確かだ)」
堕「心配しないで……いつものことだから。夜はいつでもあたし達の味方をしてくれるのよ?」
「……ええ、そうね。私たちはここで幸せに暮らす権利があるの、、邪魔なんてさせない……」
堕姫とAはお互いに抱きしめる。
お互いの映る姿は花魁ではなく鬼となっている美しい2人が、ただそこに居ただけであった。
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作者名:翠 | 作成日時:2022年2月15日 21時