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北斗に手を引かれて連れてこられた２階は、意外に小さくて、
寝室らしき部屋かひとつと、物置らしい部屋がひとつだけ。
「見て、A
バルコニーがあるんだけど」
寝室の奥のカーテンを開けると、意外に広いバルコニーがあって、そこにはテーブルセットまで用意されていた。
２人してベランダから周りの景色を眺めてみるけど、周りはマンションや普通の住宅が普通に並んでいるわけで。
この家だけ、異世界のように独特な雰囲気を醸し出している。
「A、俺ここ借りようと思うんだけど」
…あーあ、言っちゃった。
いつ言うかなって覚悟してたけど、まさかこんなに早くに言っちゃうとは。
とりあえず家の隅々までチェックした私達は、帰宅後すぐに話し合いに入った。
「大体、あの家の家賃っていくらなわけ？
一等地なんだから、かなり高いと思うんだけど」
「無料でいいって言われたんだけど、そんなわけにもいかないから、幾らかは払うつもり」
「あの家、人が住める状態じゃないじゃん」
「片付ければいいんじゃない？２人で」
２人で！？
何で私も駆り出されてるわけ？
手伝うなんて、まだ一言も言ってないのに。
「何日かかると思ってるの？
人が住めるようになるまで。」
「何日だろ…
でも、とりあえず使う部屋だけ片付ければいいと思う
残りは引っ越してから少しずつ片付けることにすればいいし」
ああ言えばこう言う！
さっきから熱くなってんのは私だけで、北斗は建設的な答えを冷静に繰り出してくるだけ。
これは…、かなり手ごわい状況ではある。
「あんなに大きな家なんだから、光熱費もかなり高いと思うよ」
私の必死の抵抗も、
「使う部屋は限られてると思うから、意外に大丈夫なんじゃない？」
こんな風にサラリと躱されてしまう。
どうやったら諦めてくれるわけ？
大体気に入らないのは、あの家と私の部屋との距離がかなり遠くなるってことなんだよ。
北斗があの家に住むってことは、私との物理的距離が離れてしまうってことなんだよ。
その意味、ちゃんと分かってる？
だからその夜、私はベッドの中でゴネてみた。
だって北斗がバカみたいにご機嫌だから。
そして、その家に夢中になりすぎてるせいか、今夜は手すら出してこないし。
「そんなに楽しい？
あの家に引っ越すこと」
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ゆきの - 何十回もよんでる大好きな作品です。更新待ってます。 (2021年7月22日 8時) (
レス) id: 3207e964c9 (このIDを非表示/違反報告)
はつね(プロフ) - 一番大好きな作品です。更新待ってます。 (2021年7月14日 12時) (レス) id: aaee343ea9 (このIDを非表示/違反報告)
にこ - ほんとに大好きな作品です。多分もう10回以上読んでいます。更新待ってます。 (2021年5月16日 22時) (レス) id: 931e445941 (このIDを非表示/違反報告)
ミサキ(プロフ) - 何度読んでも心が締め付けられます！とても大好きな作品です。 (2021年2月3日 10時) (レス) id: a1c54d44f3 (このIDを非表示/違反報告)
まるこ(プロフ) - 大好きで何度も読み返すくらい好きなお話なので、更新してくださり嬉しいです！続きも楽しみにしています！北斗くんが女の子に嫉妬しているとこが見たいような気がします。 (2021年1月14日 3時) (レス) id: b839608c40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめん
x他1人 | 作成日時：2019年5月19日 3時
