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「逆にAはどう？
俺が死んだら」
北斗が死んだら…？
そんなの、想像したこともないよ。
もう家族よりも大切な存在になっている北斗が、突然いなくなったら。
私は一体どうなるんだろう。
「Aは家事もできないし、ぼんやりしてる子だから、
１人で生きていくのは大変だと思うよ」
それ、どういう意味？
私はどちらかというとしっかりしてる方だし、北斗にぼんやりしてるなんて言われるとは思ってもみなかった。
「だからAは、もし俺がいなくなったら、
家事の堪能な優しい人を見つけて、絶対幸せになって」
北斗は今、どんな顔をしてこの言葉を言ってるんだろう。
私なら絶対に言えない。
私以外の人と幸せになれ、なんて。
隣で仰向けで天井を眺めている、北斗の横顔を窺ってみる。
無な感じでぼんやりと宙を見つめてるその横顔は、泣きそうにも見えた。
「北斗、泣いてる？」
「…泣いてない」
「じゃあ、泣きそう？」
「何で？」
「そんな顔してるよ」
「バカじゃない？A…」
そう言いながら、私に背を向けてしまうとか。
絶対に当たってんじゃん。
その背中にやんわりと抱きつけば、もう目が眩みそうなほどその体温にときめくのに。
今夜は何もしないで眠るつもり？
こんな切ない気持ちのまま。
…まあ、言い出したのは私の方だけど。
「しよ、北斗」
その温かい背中に頬を摺り寄せたら、
「嫌だ」
っていう、珍しい答えが返ってきた。
「初めて今、北斗におねだりしてるんだけど」
「それは超うれしい
だけど、今はなんか…、」
そう言って北斗は、口を噤んでしまう。
「なんか…、何？」
「Aを抱きたいというより…、Aに愛されたい気分」
一体どんな顔をして、こんな可愛いことを言ってるわけ？
今すぐその顔を見ちゃいたいのに、北斗は向こうを向いたまま、とうとう頭まで布団をかぶってしまった。
北斗に愛してるよって伝える為には、一体どうしたらいいんだろう。
私も布団に頭まで潜り込んでみる。
頑なに背中を向けたままの北斗のうなじに、唇を載せた。
途端にピクリと反応する北斗の体。
意外と北斗のハートは硝子みたいに繊細だから、そっと壊さないように扱ってあげないといけないのかもしれないね。
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ゆきの - 何十回もよんでる大好きな作品です。更新待ってます。 (2021年7月22日 8時) (
レス) id: 3207e964c9 (このIDを非表示/違反報告)
はつね(プロフ) - 一番大好きな作品です。更新待ってます。 (2021年7月14日 12時) (レス) id: aaee343ea9 (このIDを非表示/違反報告)
にこ - ほんとに大好きな作品です。多分もう10回以上読んでいます。更新待ってます。 (2021年5月16日 22時) (レス) id: 931e445941 (このIDを非表示/違反報告)
ミサキ(プロフ) - 何度読んでも心が締め付けられます！とても大好きな作品です。 (2021年2月3日 10時) (レス) id: a1c54d44f3 (このIDを非表示/違反報告)
まるこ(プロフ) - 大好きで何度も読み返すくらい好きなお話なので、更新してくださり嬉しいです！続きも楽しみにしています！北斗くんが女の子に嫉妬しているとこが見たいような気がします。 (2021年1月14日 3時) (レス) id: b839608c40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめん
x他1人 | 作成日時：2019年5月19日 3時
