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ちょっと待って!

田舎者で無知な私でもわかってきたんですけど…。

あれ…、ラブホですよね???

何度も何度も、北斗の顔とラブホの看板を往復するように視線を飛ばすけど、

当の本人は真顔で、早足で目標に向かって突き進んでいる。

「北斗?」

「何?」

「あのホテルに行って、何するの?」

「休憩?」

って、少しだけ口元を緩ませたくせに、私の視線に気付くと、すぐに真顔に戻す。

「休憩って何するわけ?」

「…知ってるくせに」

チラリとこちらを一瞥して、また前を向いて歩き出した。

北斗が前から行きたかった場所って、本当にここで正解?

実はラブホの隣に古本屋とかがあって、実はそこでしたっていうトラップを繰り出してくるわけじゃないよね???








だけど、北斗の立ち止まった場所は、本当にラブホの前だった。

看板をチラリと確認しては、普通に中に入って行く。

少しぎこちなくはあるけど手続きをすますと、無言で部屋までの道を速足で歩き、

部屋に着いた途端、北斗は私にわからないように深めの溜息をついた。

「北斗、何でこんなに詳しいわけ?」

「何が?」

「部屋の選び方とか、ルートとか」

「だって勉強してたし」

北斗は恥ずかしいのか、顔をそむけるようにして部屋の明かりをつけた。

途端に目に飛び込んでくる、桃色の世界。

薄桃色の壁紙に囲まれた部屋の真ん中には、濃い桃色のカバーのかかった大きなベッド。

…このベッドが、この部屋のメインなわけで。









「このホテルにするって決めて、ネットでいろいろ調べてきた
入り方とか、どんな部屋があるのかとか、値段とか
あと、駅からのルートとか全部」

…参りました。

さすが北斗だよ。

下調べが半端なさすぎる!

「ちなみにここは「桃色ルーム」なんだけど、他にも「水色ルーム」や「青ルーム」があったり、
あ、「紫ルーム」もあったよ」

なるほど、色分けされてるわけね?

「Aは桃色が好きだから、この部屋が空いてるといいなって思いながら来たから、ちょっとだけ急いだけど」

だからあんなに早歩きだったわけ?

事前に下調べとかしてた北斗を想像しただけで、愛おしさが爆発してくる。

そこまでして私とラブホに来たかったわけ?







「いつから調べてたの?」

「少し前から
引っ越しが落ち着いたら、Aと来れたらいいなって」

そんなに前から?

つくづく北斗は可愛いヤツだ。

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ゆきの - 何十回もよんでる大好きな作品です。更新待ってます。 (2021年7月22日 8時) (レス) id: 3207e964c9 (このIDを非表示/違反報告)
はつね(プロフ) - 一番大好きな作品です。更新待ってます。 (2021年7月14日 12時) (レス) id: aaee343ea9 (このIDを非表示/違反報告)
にこ - ほんとに大好きな作品です。多分もう10回以上読んでいます。更新待ってます。 (2021年5月16日 22時) (レス) id: 931e445941 (このIDを非表示/違反報告)
ミサキ(プロフ) - 何度読んでも心が締め付けられます!とても大好きな作品です。 (2021年2月3日 10時) (レス) id: a1c54d44f3 (このIDを非表示/違反報告)
まるこ(プロフ) - 大好きで何度も読み返すくらい好きなお話なので、更新してくださり嬉しいです!続きも楽しみにしています!北斗くんが女の子に嫉妬しているとこが見たいような気がします。 (2021年1月14日 3時) (レス) id: b839608c40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめん x他1人 | 作成日時:2019年5月19日 3時

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