チョコミントフラペチーノ クリーム多め

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「そういう架空の話はもういいから。」

慣れてるんだよ、そういうの。

いちいち反応してぬか喜びする時期は、もう過ぎた。

「今まで、Aと付き合うのは、時期尚早だと思って断ってたけど。
それには、俺の持論があってのことだから。」

「…何？持論って。」

「高校生の時には恋愛はしたくない、的な。」

「何それ。」

からかってんのかと思えば、目の前の北斗は意外にも冷静な表情をしていた。







「子どもの頃から、ちゃんと大人になってから恋愛しようと思ってて。
だからいつも言ってたじゃん。
まだまだだとか、今じゃないとか。」

…言ってたね。

でもそれって、私がまだまだなんだと思ってたよ。

「今まで断ってきたのって、北斗の準備がまだ整ってないから、って意味だったの？」

「言わなかったっけ？」

聞いてないよ！！

なんか一気に体の力が抜けた。

それならそうと言ってくれればいいのに。

肝心なことは何も言ってくれないんだね、北斗は。








「ほんとは、大学に入ってからAと付き合おうと思ってたけど。」

「けど？」

「Aがどうしても今の関係を恋愛関係に移行したいって言うなら、してもいいよ？」

「何それ！」

思わずカチンとして声が大きくなってしまった私を、北斗がたしなめる。

「声の量落として。」

そういう冷静なところが、余計に腹が立つんですけど。

今、私の心の中はぐちゃぐちゃなのに。

私がどうしても恋愛関係になりたいなら、それでもいいって何！？

何様！？

だんだん怒りを通り越して、悲しくなってきた。









「…もういい。」

さっきとは全く違う、消え入るような声でそう告げれば、

「何？聞こえなかった。」

って、顔を近づけてくる。

「もういい。
北斗とは恋愛関係になんてなれない。
嫌々付き合ってもらうのは、対等じゃないし。」

「嫌々じゃない。
今じゃないってだけ。」

「それって、仕方なくじゃん。」

「どうした？A。
なんか今日はネガティブ過ぎない？」

顔を近づけたまま、まるで子どもにするように前髪を撫でてくる北斗の指を、慌てて振り払った。









「北斗とは付き合わない。
私は私と同じ分量で、私を好きでいてくれる人と付き合いたいから。」

そう言い切って、荷物を抱えて１人で店を出た。

知ってるよ。

こういう時、北斗が追いかけてこないってこと。

前もケンカして、私が店を飛び出しちゃったことがあったけど、放置だったもんね。

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