25 ページ25
部屋が完璧に綺麗な状態になったのは、深夜１１時を過ぎた頃だった。
「Aの部屋はお風呂があっていいよね。
銭湯の時間を気にしなくていいし。」
なんて、北斗はしみじみ言ってくる。
「北斗だって、お風呂のついてる部屋を借りればよかったじゃん。」
「でも俺は、あの部屋が気に入ってるから。」
…言うと思った。
北斗の趣味は私には理解できないけど、その理解できない部分が、私には眩しく感じる時があるんだ。
２人ともお風呂に入り終わった頃には、時計の針はもう深夜０時をゆうに回っていた。
「北斗って大体、何時頃に寝るの？」
「その日によるかな。
昨日みたいに早い日もあれば、本に夢中になってたら朝になってた時もあるし。」
「じゃあ、今夜は眠くない？」
「眠い。
こんなに働かされて疲れた。」
…って、ひどくない？
別に掃除してほしいなんて、頼んでないじゃん。
北斗が勝手に掃除を始めたくせに。
だけど、洗いたてのシーツに潜り込めば、自然に２人して笑みが漏れてしまう。
２人で顔を見合わせては、くすくすと笑い合う。
「…狭くない？Aのベッド。」
「北斗の布団よりはましでしょ。」
「A、寝相悪いから蹴り落されそう。」
「じゃあ壁際で寝る？」
「いいよ、こっちで。」
文句ばっか言ってくる割には、北斗の声は嬉しそうで。
本当は幸せなんでしょ？
ちょっとモゾモゾしただけで、すぐに北斗と肩がぶつかる。
「北斗の体が大きいんだよ。
私のせいじゃないもん。」
「そう？ Aがモゾモゾ動くからじゃない？」
ああ言えばこう言う。
ほんと、北斗ってめんどくさい。
「北斗の肩幅が広すぎるんだよ、」
「普通、喜ぶもんじゃないの？
彼氏の肩幅が広いのとか。」
そうかもしれなけど。
狭いって言い出したのは北斗の方じゃん。
「そんなに狭いなら、こうしてたら？」
北斗は私の腰に手をかけると、ひょいと簡単に自分の体の上に乗せてしまった。
…ちょっと待って。
いきなりこの展開！？
向かい合わせで上に乗せちゃうとかそんな反則技、アリなの？
自分で乗せといて、
「…重。」
とかって、笑うのはやめて欲しい。
さっきから心臓がドキドキとうるさくて仕方なくて、
なのに北斗は、下から手を伸ばしては私の髪を優しく撫でてくる。
「でも、すごい幸せな重み、
ずっとこうして乗せときたい。」
なんて、少しはにかみながら、そんなことを呟いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1859人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わかめ(プロフ) - き之いさん» コメントありがとうございます。はい、キスマイで書いてます(/ω＼)書き方そっくりでしたかｗｗキスマイの方からもこちらに行けるようにしてるんで、とっくにバレてると思ってました。こちらも向こうも、どうぞよろしくお願いしますm(__)m (2019年4月28日 22時) (
レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
き之い(プロフ) - もしかしてなのですが別垢でキスマイのお話書かれていますか？書き方がそっくりでずっと引っかかってました！私もキスマイとストの掛け持ちなので嬉しいです(^^) (2019年4月28日 21時) (レス) id: 94026d8f4b (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ふまほくさん» そう言っていただけて嬉しいです。かなり更新遅めですが、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年4月28日 10時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 雄也Loveさん» コメントありがとうございますm(_ _)m更新遅めのため、のんびりお付き合いいただければうれしいです！ (2019年4月28日 10時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
ふまほく - こんなに更新が待ち遠しいお話は、初めてです！ これからも頑張ってください！ (2019年2月3日 17時) (レス) id: 6cf9c86b0f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わかめん x他1人 | 作成日時：2017年12月12日 23時
