チョコミントフラペチーノ クリーム多め

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普通デートの別れ際って、切ないもんなんじゃないの？

彼氏が彼女の部屋に上がりたがったりするもんなんじゃないの？

北斗の借りてる部屋は、私のマンションから徒歩５分くらいの近さだから、遅くまで居座ったっていいのに。

ほんと、北斗ってよくわからない！









翌日の大学でも、

「入りたいサークルがあって。
近現代文学のサークルなんだけど。
Aも一緒に入らない？」

とかって、私を悩ませる。

確かに北斗が太宰治とか三島由紀夫とか、明治→大正→昭和初期の文学が好きなのは知ってたよ？

この間見に行った映画も、昭和初期のドキュメンタリー映画だったしね。

「…入らない。」

「そっか。」

てっきり北斗は１人で入るのかと思ってたのに、

「Aが入らないんならやめとく。」

なんて、あっさり諦めるし！

「なんで？入ればいいじゃん。」

「Aと一緒じゃないと面白くないし。」

面白くないって何？

１人じゃ何も出来ないってタイプじゃないくせに。

「Aが入るなら入るけど。」

「あーあ、すげー楽しそうだと思ったのに。」

その後の会話の端々に出てくる、北斗のわざとらしい言い方に、とうとう私が折れた。

北斗の好きなことを取り上げたらかわいそうだ的な、変な罪悪感に取り憑かれた結果、

数日後には一緒に入部届を出しに行く羽目になった。

…ほんと、北斗は小狡い！









サークル自体はなかなか楽しい。

だけど女子の先輩から、

「北斗くーん♪」

なんて、甘ったるい声で呼ばれてるのを聞くと、正直複雑。

やっぱり北斗はサークルでもよくモテる。

だけど、今までみたいに私以外の女子には塩対応というわけではなく、

マニアックな文学の話が合う女子の先輩もいるから、けっこう話し込んでることも多く…。

今日なんか、女子の先輩に両脇から挟まれた状態で、部室のソファーでえらく盛り上がってたし。

…なんか、腹立つ。

私も男子の先輩と仲良くしてやろうかと企んだけど、正直…、

私も北斗以外の男子に興味がなかったんだった。

「Aもこっちにおいで。」

北斗はそんな私に気付いて、手招きしてくれるけど。

両脇からジロリと先輩方に睨まれて、とてもじゃないけど近付けない。

「…今日は帰りますね。」

愛想笑いで、帰り支度を始めた。









「じゃあ、俺も。」

そう言って立ち上がった北斗を、先輩達が

「まだいいじゃない。」

とかって、執拗に引き止めてる。

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